列柱のある遠近法
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| イタリア語: Prospettiva con portico 英語: Perspective View with Portico | |
| 作者 | カナレット |
|---|---|
| 製作年 | 1765年 |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 131 cm × 93 cm (52 in × 37 in) |
| 所蔵 | アカデミア美術館、ヴェネツィア |
| スペイン語: Capricho con columnata en el interior de un palacio 英語: Capriccio with Colonnade in the Interior of a Palace | |
| 作者 | カナレット |
|---|---|
| 製作年 | 1765年ごろ |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 42 cm × 32.5 cm (17 in × 12.8 in) |
| 所蔵 | ティッセン=ボルネミッサ美術館、マドリード |
『列柱のある遠近法』(れっちゅうのあるえんきんほう、伊: Prospettiva con portico、英: Perspective View with Portico)は、18世紀イタリアの画家カナレットが1765年にキャンバス上に油彩で制作した風景画である。現在、ヴェネツィアのアカデミア美術館に所蔵されている[1][2][3][4]。1763年にアカデミア美術館の前身である絵画彫刻アカデミー (Accademia di Pittura e Scultura) に入会を認められたカナレットが1765年にアカデミーに寄贈した[2][3]。この絵画には『宮殿内に列柱のあるカプリッチョ』(きゅうでんないにれっちゅうのあるカプリッチョ、英: Capricho con columnata en el interior de un palacio、英: Capriccio with Colonnade in the Interior of a Palace)と呼ばれるカナレット自身の手になる別ヴァージョンがあり、現在、マドリードのティッセン=ボルネミッサ美術館 (カルメン・ティッセンのコレクション) に所蔵されている[3]。
カナレットとその甥ベルナルド・ベッロットが確立した地誌学的風景画「ヴェドゥータ」(都市景観画) は、18世紀ヨーロッパ各地で広く好まれた。寸分狂いのない線遠近法と明瞭な明暗効果の中に捉えられたヴェネツィアなどの都市風景の広がりは、時代精神と共鳴するところがあったと思われれる[5]。
1725年までにヴェドゥータの専門家になっていたカナレットが描いたヴェネツィアの風景は、とりわけグランド・ツアーに出かけた上流階級のイギリス人子弟の間で非常な人気を博し[2][6]、彼らが帰国する際にはヴェネツィアの絵葉書、お土産代わりに購入された[2][7]。1741年にオーストリア継承戦争が勃発すると、外国人によるイタリアへの旅行が危険となり、カナレットは自身の絵画の顧客が最も多かったイギリスに赴くこととなった[8]。しかし、彼がイギリスを描いた風景画は人気がなかったので[6]、1756年までには故郷のヴェネツィアに帰還した[8]。
作品
本作の建築的部分はカナレットを有名にした物理的な真実性の基準に合致しているようである[3]が、美術史家たちはそれがカナレットの想像上の産物であり[2][3]、彼のアトリエで制作されたことに同意している[3]。とはいえ、画面のそれぞれの要素は、魅惑的なイメージの集合体である[2]。絵画は巧みな遠近法を駆使して、画面を覆う[4]宮殿内部の日常生活を大胆な2つの角度で示している[8]。鑑賞者は、ポルチコ (画面右側) をパティオ (左側) から隔てる1階の柱廊と、穹窿アーチ (上部) から望まれる2階のバルコニーを同時に見ることになる。かくして、画面には、バルコニーの手すり子下の木枠から手すり子上の天井にいたるまで建築のすべての要素が示されているのである[3]。
いくつかのランプが柱の間にある長いケーブルから垂れ下がっている。柱廊の右側では紳士が子供に施しを与えており、もう1人の物乞いが柱に背をもたせ掛けて座っている。『宮殿内に列柱のあるカプリッチョ』の物乞いは施しを待っているところである。右側には、座って編み物をしている女性の姿が見える[3]。『宮殿内に列柱のあるカプリッチョ』では、鶏が画面右側を駆け回っている。2人の人物が手すり子に寄りかかっており、そのうちの1人は手すり子から垂れているカーテンを持っている。『宮殿内に列柱のあるカプリッチョ』のカーテンには紋章が見える。左側の泉のそばには女性がおり、階段が2階に続いている。画面は、宮殿背後の木々と雲の浮かぶ青空によって枠どられている[3]。
本作は想像上の光景ではあるが、空間の全体的描写と主要な建築的要素の点でカ・ドーロの宮殿に一致する。カ・ドーロにおいても、ポルチコの背後から左側のカナル・グランデ方向を望む、同じ形式の大階段のあるパティオが見られるのである[3]。