ペレカニミムス
From Wikipedia, the free encyclopedia
| ペレカニミムス Pelecanimimus | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ペレカニミムスの想像図 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 地質時代 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 前期白亜紀 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| Pelecanimimus Perez-Moreno et al., 1994 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 種 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ペレカニミムス(学名 Pelecanimimus 「ペリカンもどき」の意味)は前期白亜紀に現在のスペインに生息した基盤的(原始的)なオルニトミモサウルス類に位置づけられる獣脚類恐竜の属の一つである。特筆すべきことに多くは歯を持たないオルニトミモサウルス類の中で(獣脚類の中でも)非常に多くの歯を持つ。
1993年7月にアルマンド・ディアス・ロメラルはLas Hoyas Unit 3発掘地にて獣脚類の骨格を発見した。1994年にこの化石はベルナルディノ・ペレス・ペレス=モレノ、ホセ・ルイ・サンス、アンヘラ・ブスカリオニ、ホセ・モラタリャ、フランシスコ・オルテガおよびディエゴ・ラスキン=グトマナスにより新属新種Pelecanimimus polyodonとして命名、記載された。属名はラテン語で「ペリカン」を意味するpelecanusと「まねもの」を意味するmimusに由来しており、長い吻と喉袋について言及したものである。種小名は非常に多数の歯を持っていることに言及したものでギリシャ語で「多い」を意味するπολύς(polys)と「歯」を意味するὀδούς(odous)に由来するものである[1]。
ホロタイプ標本LH 7777は現在「the Las Hoyas Collection」の一部としてスペイン、クエンカにあるクエンカ博物館に収蔵されている。この化石はクエンカ県の有名なラオヤス地域にあるカリザス・デ・ラ・ウエルヒーナ層のラーガーシュテッテである下部バーレム階の地層から発見された。
唯一発見されている標本は関節した上半身の骨格であり、頭骨、下顎、全ての頸椎、胴椎のほとんど、肋骨、胸骨、肩帯、完全な右の前肢、左の後肢の大部分が含まれている。頭部のくちばし、首周り、前肢周辺には軟組織の痕跡が見られる[1]。
特徴

ペレカニミムスは小型のオルニトミモサウルス類であり、体長は2-2.5 mほどである。頭骨は特異に細長く、最大で長さは高さの4.5倍になる。多数の歯を持ちオルニトミモサウルス類の中でも非常に特異である。全部220ほどの小さな歯があり、前上顎骨に7個、上顎骨に約30個、歯骨に75個ある。これらの歯は異歯性で、基本的に2種類の形状がある。上顎の前部の歯は幅が広く断面がD字型であり、一方で後部の歯は刃状であり、全体に上顎の歯は下顎のものよりも大きい。全ての歯には鋸歯が無く、冠部と基部の間に狭窄した「くびれ」がある。歯間板を欠く[2]。
オルニトミモサウルス類では他に歯を持つものはハルピミムスのみしか知られておらず、しかも数ははるかに少ない(全部で11本で下顎のみである)。多数の歯があることと、歯間スペースがないことからPérez-Morenoらはこれは切り裂くことへの適応であり、くちばしで切断するための機能の対応物であるとともに、後のオルニトミモサウルス類に見られる歯の無いくちばしの切刃に通じる外適応である[1]。
腕と手は典型的なオルニトミモサウルス類のものであり、前腕の尺骨と橈骨は互いにしっかり接着している。手は鉤状で指の長さはほぼ等しく、かなり真直ぐな鉤爪を持っていた[1]
La Hoyasのラーガーシュテッテのまれな環境では軟組織が保存され、皮膚もしくは角質で出来た後頭部の小さなとさかや現代のペリカンにある大きな喉袋に似た形の小さな喉袋が見られ、ペレカニミムスの名はこの喉袋にちなんだものである。ペレカニミムスは現代のツルにより似ていた可能性があり、湖沼を歩き回り、鉤爪と歯で魚を捕まえ、喉袋に蓄えたようだ。皺のある皮膚の印象が残っており、鱗や羽毛が無かったようだ。単繊維状の構造も保存されており、初めは外皮と解釈されたが、後にこれらは筋繊維が保存されたものだと分かった[3]。ペレカニミムスはまた初めて舌骨(首にある特化した舌の骨)が発見されたオルニトミモサウルス類でもある[1]。