ムルスラプトル

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ムルスラプトル[1]学名Murusraptor)は、アルゼンチンパタゴニアに分布するネウケン層群英語版の一部であるSierra Barrosa Formation (en) から化石が産出した、メガラプトル類に属する獣脚類恐竜。部分的な頭蓋骨・肋骨・部分的な骨盤・後肢・および分類された他の骨格要素からなる単一の標本が知られている[2]

復元

ムルスラプトルのホロタイプは全長6.4メートルと推定されているが、脳頭蓋の縫合性が消失していないことから未成熟個体の標本であると考えられており、より大型になりえたことが示唆されている。骨格の分析から、特に頭蓋骨臀部においてメガラプトル類の未確認であった解剖学的特徴が明らかにされている。頭蓋骨の後側の分析からムルスラプトルは近縁なメガラプトルと類似する可能性が示唆されており、長く狭い吻部を持つ可能性が高い。仙肋は空洞である[2]

Coria & Currie はムルスラプトルの区別可能な特徴を複数設立した。涙骨のfront branchはdescending branch より長い。下顎において、上角骨の前側の開口部と歯骨の後側のbranchが入り込む切痕との間で溝が走り、その下で上角骨はその外側でbone shelfを示して関節に寄与する。仙肋は空洞でチューブ状をなす。坐骨は短く、横方向に平坦化し、垂直方向に僅かに幅広である。後者2つの特徴は明確な固有派生形質であり、獣脚類全体でも特異的な形質である[2]

脳頭蓋の写真とイラスト。左半分が変形していることがEから見て取れる。

さらに、特徴自体は特異的ではないものの、その組み合わせが特異的なものもある。脳頭蓋において、processus basipterygoidei は基蝶形骨の前下側に位置し、recessus basisphenoideus の深い窪みの入り口は明らかに上側と後側に向く。基蝶形骨は浅く幅広な切痕を tubera basilariaprocessus basipterygoidei の間に示す。血道弓は直線状である[2]

ムルスラプトルの脳頭蓋はアロサウルス科ケラトサウルス科といった非コエルロサウルス類の獣脚類よりも非マニラプトル類型コエルロサウルス類との類似性を示しており、特にティラノサウルス科と類似する。ただし、脳化指数アロサウルスギガノトサウルスおよびシンラプトルといったアロサウルス上科の範囲に収まっており、感覚神経の能力はティラノサウルス科のものを下回る可能性が高いと見られる[3]

発見と命名

ホロタイプ標本が発見された産地

2001年、Museo Carmen Funes  (en) のプレパレーターであるSergio Saldiviaは、ネウケン州のPlaza Huincul  (en) の北東部から30キロメートルの渓谷の岩壁から獣脚類の骨格を発見した。骨格は同年から2002年にかけて収集された[2]

2016年、Rodolfo Anibal Coria とフィリップ・J・カリーはタイプ種 Murusraptor barrosaensis を記載・命名した。属名はラテン語で「壁」を意味し渓谷の岩壁に言及した murus、および「泥棒」を意味する raptor に由来する。種小名は Sierra Barrosa Formation から産出したことに由来する[2]

ホロタイプ標本 MCF-PVPH-411コニアシアン階にあたる Sierra Barrosa Formation の層から発見された。標本は頭蓋骨を伴う未成熟個体の部分的な骨格からなる。タイプ標本に含まれる骨格要素には、前頭骨頭頂骨を伴う完全な脳頭蓋・右涙骨前前頭骨後眼窩骨方形骨翼状骨上翼状骨外翼状骨・31本の・右下顎の後側要素・胴椎から尾椎にかけての12本の椎骨・11本の胸肋骨・1個の血管弓あるいは血道弓・複数の腹肋・前肢の第III末節骨・完全な左腸骨・一部の右腸骨・両恥骨の近位端・坐骨の遠位端・右脛骨・単一の踵骨がある[2]

分類

古生物学

出典

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