ロレートのサンタ・カーサの奇跡
From Wikipedia, the free encyclopedia
| イタリア語: Il miracolo della Santa Casa di Loreto 英語: The Miracle of the Holy House of Loreto | |
| 作者 | ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ |
|---|---|
| 製作年 | 1743年 |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 122.9 cm × 77.8 cm (48.4 in × 30.6 in) |
| 所蔵 | J・ポール・ゲティ美術館、ロサンゼルス |
『ロレートのサンタ・カーサの奇跡』(ロレートのサンタ・カーサのきせき、伊: Il miracolo della Santa Casa di Loreto, 英: The Miracle of the Holy House of Loreto)は、18世紀イタリア・ロココ期の巨匠ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロが1743年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。ヴェネツィアのジェロラモ・メンゴッツィ・コロンナの天井装飾画 (第一次世界大戦中の1915年に破壊された) の習作として描かれた[1]。作品は1994年に購入されて以来、J・ポール・ゲティ美術館 に所蔵されている[1]。

本作の題名となっているイタリアのアドリア海沿いの都市ロレートは、1291年[1] (1294年[2]) に天使がサラセン人の脅威にさらされた[1]ナザレ (現在のイスラエル) から「サンタ・カーサ (聖なる家)」 (イエス・キリストが育った聖母マリアと聖ヨセフの家) を運んだという伝説がある町である[1][2]。ロレートには、カルメル会修道士の保護の下、サンタ・カーサを覆う聖堂が建てられた[2][3]。
上述のように、現存しないサンタ・マリア・ディ・ナザレット教会の天井画用に制作された最初の下絵は現在、アカデミア美術館 (ヴェネツィア) に所蔵されている[3][4]。一方、本作は2番目の最終的な下絵である[1][4]。
天上画の建築的枠組みは、ジェロラモ・メンゴッツィ・コロンナにより[3][4]下からまっすぐ仰ぎ見られたかのように描く「クアドラトゥーラ」と呼ばれる様式で制作された[3]。本作も同様に下から見上げられたように描かれており、鑑賞者は、画面が自身のいる空間の延長であるかのような幻視の感覚を持つことになる[1]。
楕円形の場面は3分割されている[1]。金色の色調で描かれた一番上の部分では、父なる神と聖霊のハトが奏楽する天使たちの中に君臨している。中央の部分には、天使によって運ばれる聖母マリアと幼子イエス・キリスト、サンタ・カーサが表されている。サンタ・カーサの右横には、両手を頭上に上げた聖ヨセフが見える。右側では3人の天使たちがトランペットを吹いて、起きている出来事を伝えている。一番下の部分には鑑賞者に近いために大きく描かれた暗色の人物像が登場しているが、彼らは悪の擬人像で、サンタ・カーサから落下している。画面の周囲からは、ターバンを巻き、武器を担いでいるサラセン人たちが画面の光景を見つめている[1]。