夕顔 (地歌)
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物語の背景
歌詞
歌詞は物語の筋や文句をそのままなぞるのではなく、物語の背景を前提として詩的に構成したものとなっている。歌詞のなかにある「白露、光を添えて」は、夕顔が詠んだ「心あてにそれかぞとみる白露の光そへたる夕顔の花」と源氏の返歌である「よりてこそそれかとも見めたそかれにほのぼの見つる夕顔の花」によっている。
ウィキソースに夕顔の原文があります。
すむは誰
訪いてや見んとたそかれに
寄する車のおとづれも
絶えてゆかしき中垣の
隙間もとめて垣間見や
かざす扇にたきしめし
空炷きものもほのぼのと
ぬしは白露ひかりを添へて
いとど栄えある夕顔の
花に結びしかりねの夢も
覚めて身に染む夜半の風
歌の概略は、住んでいるのは誰だろうかと、たそがれどきに訪れた(源氏の)車であったが、(その女は隠れて住んでいたため、その家に)立ち寄る車も絶えていた。(源氏は、女のことを)知りたく思い中垣の隙間を探し垣間見た。女がかざした扇に焚きこんだ香の香りがどことなく漂ってきて、女主人はだれか知らないが、白露が光を添えて、いっそう美しく見えた夕顔の花を縁に結ばれたうたたねに見た夢も、(女の死によって)覚めてしまい、夜半の風が身にしみた。