絵入源氏物語
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それまでの『源氏物語』は平安時代に成立して以後、すべて写本の形で存在しており、1冊ずつ人の手で写さなければならないものであるために作成に手間と時間がかかり、一般の人々が容易に入手出来るものではなかった(写本を手に入れることが出来ない多くの人々は、数多くの種類が作られた「梗概書」と呼ばれるダイジェスト的な書物によって『源氏物語』に親しんでいた)。そのような中で、『絵入源氏物語』は一般多数の人々に読みやすい『源氏物語』として単に本文のみではなく絵を添える形で提供された最初のテキストである。本書を編集したのは蒔絵師を本業とした歌人である山本春正。
『絵入源氏物語』は以下のように少しずつ形を変えて何度か刊行されている。
このうち最も広く普及したのは1654年に刊行されたものである。
『絵入源氏物語』の持つ多くの特徴は、これ以後に出た『源氏物語』の版本である『首書源氏物語』や『源氏物語湖月抄』などでも概ね踏襲されており、これ以後の多くの『源氏物語』の版本の基本的な形となった。