西鉄天神大牟田線
西日本鉄道の鉄道路線
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概要
天神大牟田線は西鉄の鉄道事業では本線格にあたり、太宰府線と甘木線が支線として分岐している[2]。沿線は県下でも比較的規模の大きな都市が連なっており、古くから沿線開発が進んだ。西鉄久留米駅では駅ビルを核に商業エリアの整備が進められ、大牟田市でも三井グループの協力を得て新栄町駅前一帯で西鉄による市街地再開発が行われた[6]。 九州鉄道により福岡駅(現・西鉄福岡(天神)駅)から久留米駅(現・西鉄久留米駅)まで区間が1924年(大正13年)4月12日に開業[7]して以降、沿線各地から福岡市への通勤・通学や沿線都市間輸送の役割を担っている。
加えて沿線には名所・観光地も多く、太宰府天満宮や九州国立博物館は太宰府線太宰府駅が、旧柳河藩城下町は西鉄柳川駅が最寄りであるほか、遊園地「グリーンランド」(熊本県荒尾市)には大牟田駅から西鉄バスが運行されている[8]。観光列車として柳川地区の雅称にちなんだ「水都」(すいと)[9]、車内で飲食を楽しめる「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」[10]も運行されている。
かつては大牟田駅で、やまさ海運が運航する三池島原ライン島原港行と連絡する三池港行バスと接続しており、福岡都心から島原半島(長崎県)への最速ルートとなっていた[11](2025年休止)。
全体的には九州旅客鉄道(JR九州)の鹿児島本線と並行しており、福岡市・春日市・大野城市・太宰府市・筑紫野市・久留米市・みやま市・大牟田市には両線の駅があるほか、JR線が通らない小郡市[注 1] や柳川市[注 2] にも西鉄の駅がある。ただし西鉄は西鉄福岡(天神)駅をターミナル駅としているのに対しJRは天神から離れた博多駅を拠点駅としており、JRとの共同使用駅である大牟田駅のほかは西鉄とJRの駅は離れている。福岡市南区の井尻駅 - 雑餉隈駅間と久留米市の聖マリア病院前駅 - 津福駅間では鹿児島本線と交差するが、交差している地区のいずれも具体的な新駅設置計画はない。
JRの鹿児島本線と九州新幹線、九州自動車道、国道3号など、天神大牟田線に並行する他の主要な交通路が福岡県(筑紫野市)から佐賀県(三養基郡基山町・鳥栖市)をいったん通って再び福岡県(久留米市)に入るのに対し、西鉄天神大牟田線は小郡市中心部を通っており佐賀県内にかかる区間がなく、全線が福岡県内にある。
ほとんどの日本の大手私鉄路線は大都市内にJR駅と接続する駅や、または隣接するターミナル駅があるが[注 3]、 天神大牟田線には福岡市内でJR線と直接接続する駅は存在しない[注 4]。なお、西鉄福岡(天神)駅は福岡市地下鉄空港線の天神駅と福岡市地下鉄七隈線の天神南駅と接続しており、こちらは後から西鉄の駅に接続する形で設置された。
日本の大手私鉄の駅としては天神大牟田線の西鉄福岡(天神)駅が最西端、大牟田駅が最南端に位置する。
路線名について
2000年(平成12年)12月までは路線名が大牟田線であったことから[注 5]、本路線のことを「天神大牟田線」ではなく「大牟田線」と呼ぶ利用者が多い。また、かつては路面電車と比較して路線自体を指して急行電車の愛称が使われていた[12][注 6]。
なお西鉄公式サイトの「路線図・駅・時刻表」では、天神大牟田線と太宰府線および甘木線をそれぞれ独立して紹介している[13]が、「鉄道事業」ページでは西鉄福岡(天神)駅 - 大牟田駅間を「本線」と表記し、太宰府線と甘木線を含めた3路線を天神大牟田線として扱い、接続していない西鉄貝塚線や子会社が運行している筑豊電気鉄道線と分けて説明している[2]。
路線データ
沿線風景
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下り列車の進行方向基準に記述する。
西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄二日市駅
西鉄福岡(天神)駅から西鉄二日市駅までは、福岡市中心部から南部の市街地を走行する区間である。天神・薬院・大橋などの主要市街地を通過し、高架区間と地平区間が混在する。地下鉄七隈線やJR鹿児島本線と近接・交差する区間が多く、都市交通の結節点が連続する。
西鉄二日市駅 - 西鉄久留米駅
西鉄二日市駅以南では、沿線は次第に住宅地から郊外的景観へと移行する。筑紫平野に入ると比較的直線的な線形となり、JR鹿児島本線と並走する区間が多い。筑紫車両基地や甘木線との接続点を経て久留米市街地に至る。
西鉄久留米駅 - 西鉄大牟田駅
久留米市以南では、単線区間と複線区間が混在し、旧大川鉄道からの買収区間など歴史的経緯を反映した線形が見られる。筑後川を渡る区間や鹿児島本線との長距離並走区間を経て、大牟田市街地に至る。
輸送形態
運行形態
列車種別
定期列車としてNライナー、特急、急行、普通[13]のほか、臨時列車が運行されている。
有料座席列車「Nライナー」
2024年(令和6年)4月11日に発表された臨時列車[17]。イベント開催や週末などの多客時に、快適性・利便性向上を目的として、確実に着席できる列車である。また、愛称は列車種別名も兼ねている。
まずは臨時列車として、2024年(令和6年)4月19日に初便が運転された。臨時列車時代は、1日3本が運転され、21時台の1本が福岡(天神)駅発大牟田駅行き、22時台の2本が福岡(天神)駅発花畑駅行きとして運転[17]。車両は3000形5両編成が充当される。運賃に加えて、当日分有効の乗車整理券(300円)が必要となる。乗車整理券は号車のみ指定され、指定された号車で自由に着席できる[17]。
臨時列車時代の乗車駅は福岡(天神)駅のみ、降車停車駅は西鉄二日市駅以遠の急行停車駅[17]。薬院駅は運転停車のみ。
当初報道では、当初、2021年度(令和3年度)までに有料座席列車を運行することが報道され[18]、仕事帰りの旅客が多少追加料金を払ってでも座って帰宅できることを目的として計画されていた[19]。乗車駅は出発駅である福岡(天神)駅と薬院駅、降車停車駅は、西鉄久留米駅・花畑駅・大善寺駅・西鉄柳川駅・新栄町駅・及び終点の大牟田駅で計画されていた[19]。
運行後のアンケートにあった意見としては、300円という料金設定は概ね肯定的に捉えられたものの、実際の乗車率は想定を大きく下回る20%未満と低迷した。観戦客の利用を見込んだプロ野球の試合が長引いたことが影響したとの見解であった[20]。
その後、2026年1月23日に3月のダイヤ改正時に「Nライナー」を正式導入する事が発表された[21]。平日19時11分福岡(天神)駅発が該当列車で、定員は200名。座席料金は、実証実験時から100円値上げされて400円となる[22]。購入に関しては、LINEの西鉄電車LINE公式アカウントからの購入のみとなる[23]。
停車駅は薬院駅に正式に停車するようになった一方で、臨時列車時代よりも停車駅数は縮小され、西鉄福岡(天神)駅・薬院駅・西鉄二日市駅・西鉄久留米駅・花畑駅・大善寺駅・西鉄柳川駅・新栄町駅・大牟田駅(すなわち、西鉄久留米駅以南は特急停車駅に準じており、設定当初の運転計画に西鉄二日市駅を追加した停車駅となった)で、西鉄福岡(天神)駅・薬院駅は乗車専用、その他は降車専用である[24]。3000形の5両編成が使用される[注 7]。
特急
天神大牟田線の最速種別であり、天神大牟田線における都市間輸送の基幹となっている。特急料金は不要。原則として全列車が西鉄福岡(天神)駅 - 大牟田駅間で運転され、終日30分間隔で運転される。なお、朝のラッシュ時に上り西鉄福岡(天神)駅行きは、輸送力が低下するため運行されない。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正から2024年(令和6年)3月15日まで平日日中の運行がなくなり、代替として西鉄福岡(天神)駅 - 大牟田駅間に急行が運転されていたが[25]、2024年(令和6年)3月16日のダイヤ改正より平日日中の運転も再開された[26]。
停車駅は以下の通り[13]。
2008年(平成20年)3月22日のダイヤ改正で最高速度が100km/hから110km/hに引き上げられ、西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄久留米駅間最速28分、西鉄福岡(天神)駅 - 大牟田駅間最速58分に短縮したが、2017年(平成29年)8月26日のダイヤ改正より大橋駅に停車するようになったため、現行ダイヤでは西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄久留米駅間では下り最速30分、上り29分、西鉄福岡(天神)駅 - 大牟田駅間では最速下り64分、上り62分となっている。
2026年現在、日中帯は主に3000形の6両編成が使用される。ラッシュ時には7000形、9000形、5000形や6000系列の6・7両編成での運用も数多く設定されており、正月ダイヤなどでは3000形5両編成の運用もある。2026年3月14日ダイヤ改正までは日中にもロングシート車6両編成の特急があった。
急行
終日運転され、日中は西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄小郡駅・花畑駅間に毎時各2本運行される。通勤・帰宅ラッシュ時は西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄二日市駅・筑紫駅・津福駅間の列車も運行される。平日・土日祝日ともに、早朝・夜間には西鉄福岡(天神) - 西鉄柳川駅・大牟田駅間や西鉄柳川駅 - 大牟田駅間を運行する列車もある。
停車駅は以下の通り[13]で、西鉄久留米駅以南の停車駅は前述の特急停車駅に準じる。ただし、後述のように例外もある。
- 西鉄福岡(天神)駅 - 薬院駅 - 大橋駅 - 春日原駅 - 下大利駅 - 西鉄二日市駅 - 朝倉街道駅 - 筑紫駅 - 三国が丘駅 - 西鉄小郡駅 - 宮の陣駅 - 西鉄久留米駅 - 花畑駅 - 大善寺駅 - 西鉄柳川駅 - 新栄町駅 - 大牟田駅
特にラッシュ時の急行の混雑度は始発・終点によって大きく異なり、大牟田駅・西鉄柳川駅発の列車は都心から離れた西鉄柳川駅・大善寺駅等でも混雑度は高いが、西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄二日市駅間の急行については出発時における混雑度は低くなっている。
遠近分離の原則に基づき、西鉄福岡(天神)駅に2本連続急行が到着する時間帯については、先に運行距離が短い筑紫駅や西鉄二日市駅を出発した列車が到着し、後に、大牟田駅や西鉄柳川駅などを出発して長距離運行された列車を到着させる。これにより、乗客の分散が可能で、春日原駅や大橋駅などで後の急行へ乗車する人を抑制することができ、混雑を緩和させることが可能である。
急行は、一部区間が普通(各駅停車)に種別変更される列車がある。西鉄小郡駅発着の列車は、筑紫駅 - 西鉄小郡駅間は各駅に停車する。また、西鉄福岡(天神)駅発筑紫駅行きは、途中、西鉄二日市駅以南で、同様に各駅に停車する。上りは筑紫駅以北を急行として運転される。また、聖マリア病院前駅や津福駅などから発車する列車の一部は、筑紫駅以北(西鉄福岡(天神)駅方面)より急行運転を開始することもある。以前は西鉄久留米駅以南に向かう列車に、西鉄久留米駅で普通に種別変更する西鉄柳川行き急行などがあったが、2026年3月改正で平日の夕方に2本あった津福行き急行が消滅し、西鉄久留米駅から普通に種別変更する急行はなくなった。なお「花畑ゆき急行」はこのパターンに該当せず、終着駅まで急行のままとなる。
当線にいわゆる「区間急行」等の種別はないため、種別変更をする際は、方向幕の表示を急行から普通、普通から急行へと変更する。例外として、太宰府線直通の「急行 太宰府ゆき」は太宰府線では各駅に停車するが、方向幕は「急行」表示のままである。
2017年(平成29年)8月26日のダイヤ改正より、朝の上りの急行のうち、1本(平日と土日祝日では時刻が異なる)が西鉄久留米駅で特急と緩急接続を行い、ほかに平日の1本が西鉄小郡駅で特急を待避するようになった。普通列車となる区間を除くと急行の特急待避は西鉄初のことである。2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正から2024年(令和6年)3月15日までは平日日中の特急運転が取りやめになったため、急行の運行形態も大幅に変更された[25]。
2024年(令和6年)3月16日のダイヤ改正より、新たに平日朝ラッシュ時間帯における混雑平準化のため、大橋駅を7時57分 - 8時54分に出発する福岡(天神)駅行きの急行列車は平尾・高宮両駅にも停車する。それに伴い、この時間帯の福岡(天神)駅行きの列車は大橋駅での緩急接続が行われず、大橋駅に到着した順に福岡(天神)駅に到着することとなる。
西鉄の前身の九州鉄道は1924年(大正13年)4月24日、インターアーバンとして成功させていた阪急電鉄神戸本線に倣い、「汽車[注 8]より早い急行」を宣伝広告とした福岡駅(現在の西鉄福岡(天神)駅) - 久留米駅間を55分で結ぶ急行を16分毎に走らせた。1930年(昭和5年)、表定速度52km/hで福岡駅 - 久留米駅間を45分で結ぶ急行を2時間毎に運行した。大牟田線全通後は、1941年(昭和16年)に福岡駅 - 大牟田駅間を75分で走行する急行の運行を開始した。この急行は第二次世界大戦中の一時休止を経て、戦後の1946年(昭和21年)10月1日に福岡駅 - 大牟田駅間を90分で結ぶ急行として復活した。またこの急行とは別に1956年(昭和31年)からは従来の急行停車駅に加え西鉄小郡駅・宮の陣駅と西鉄久留米駅以南の各駅に停車するローカル急行が運転されていた。当時の急行が現在の特急、ローカル急行が現在の急行の前身に当たる。

正月三が日には太宰府天満宮への初詣客輸送の輸送のため臨時急行「初詣号」が西鉄福岡(天神)駅 - 太宰府駅間に運行される。通常の日の西鉄福岡(天神)駅 - 太宰府駅間の急行と異なり、日中に30分間隔で上下両方向に運行される。「初詣号」にはヘッドマークが取り付けられる。1997年(平成9年)9月27日のダイヤ改正で日中の急行が1時間4本となったため余裕がなくなり、翌年からは西鉄小郡駅折り返しの列車を太宰府駅発着に差し替える形で運行している。
1996年(平成8年)までは2月の観梅期間中、西鉄福岡駅 - 太宰府駅間に臨時急行「とびうめ号」を運行していた。2015年(平成27年)より、2月上旬の1日に限り、西鉄福岡(天神)駅発太宰府駅行き急行の1本を「観梅号」とし、太宰府市のキャラクター「千梅ちゃん」のヘッドマークを付けて運行している[28][注 9]。
3000形の登場後、日中は主に5両編成での運用が多くなっていたが、混雑により2026年現在では、3000形5両編成のほか、3000形6両や9000形6両編成での運用が増えている。また3000形だけでは車両不足になっているため、5000形や6000系列+7000形も日中帯の急行によく投入されている。
普通
日中は西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄二日市駅・筑紫駅・大善寺駅間で各行先が毎時2本運行されており、西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄二日市駅間では約10分間隔で運行されている。
朝・夕は西鉄福岡(天神)駅- 西鉄小郡駅・西鉄柳川駅間などの列車も運行される。太宰府線直通列車も西鉄福岡(天神)駅→太宰府駅間、太宰府駅 → 筑紫駅・西鉄小郡駅間で運行されている。また、宮の陣駅以南においては甘木線直通列車が大牟田駅・西鉄柳川駅・西鉄久留米駅 - 甘木駅間でワンマン2両編成で運行されている。甘木駅 - 大牟田駅系統はダイヤ上、殆どの列車が西鉄柳川駅で15 - 22分程度の長時間停車を行う(その間に特急・急行との緩急接続も行われる)。
なお、大橋・西鉄二日市など待避線を持つ一部の駅で終日緩急接続が行われている。なお、朝・夕ラッシュ時は変則的であり、春日原駅など、日中は緩急接続を行わない駅での接続や、朝の一部の上り列車で、普通列車が2本の急行列車に追い越されるなど、日中には見られない状況が起こる。
早朝、朝夕ラッシュ時、夜間、深夜には西鉄柳川駅発着の列車もある。早朝には西鉄二日市駅や筑紫駅が始発の下り列車もある。また、案内表示上の行き先より手前の筑紫・花畑・西鉄柳川の各駅で「車両取替え」と称した車両交換を行い、同一ホームで乗り換えとなる列車がある。目的はラッシュ時の多両編成からデータイムの通常編成への切り替えまたは車両運行上の安全の都合である。
臨時列車
観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」

2019年(平成31年)3月23日から運行を開始した観光列車[33]。名前の通り、車内の調理設備で沿線の食材を使った料理を提供し、内装には城島瓦(久留米市)、八女竹(八女市)の竹細工といった伝統工芸品を用い、筑後(沿線である福岡県南部)らしさを演出する[34]。当初の運行日は金・土・日曜日と祝日。昼間に西鉄福岡(天神)発駅大牟田駅行きの「ランチの旅 (CHIKUGO LUNCH COURSE)」、夕方に大牟田駅発西鉄福岡(天神)駅行きの「ディナーの旅 (CHIKUGO DINNER COURSE)」を運行[33]。2019年6月1日からは西鉄福岡(天神)駅発太宰府駅行きの「ブランチの旅 (DAZAIFU BRUNCH SET)」も運行している[33]。
2022年(令和4年)9月1日よりコース及び運行日程が変更された。運行日は木・金・土・日曜日と祝日となり、コースは西鉄福岡(天神)発着の「地域を味わうアーリーランチ」と、西鉄福岡(天神)駅駅発大牟田駅行きの「地域を味わうレイトランチ」の運行となり、車内で提供される料理も、これまでの季節のピザをメインにしていたものから3人の新しい料理監修者によるコース料理に変更された[35]。
過去の列車種別
直行
1987年(昭和62年)3月25日のダイヤ改正で新設され、2010年(平成22年)3月27日のダイヤ改正まで設定されていた種別で、平日朝に下り4本のみ西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄二日市駅間で運行されていた(列車自体は車庫のある筑紫駅まで運行されていたが、西鉄二日市駅 - 筑紫駅間は回送)。新設時は西鉄二日市駅までノンストップだったので「直行」という名称が使われていたが、1995年から途中で薬院駅のみ停車するようになった。朝ラッシュ時に増えた上り列車を車両基地まで送り込む、送り込み列車としての意味合いを持っていた。
当初は福岡駅→春日原駅間の直行も存在した。
車両は、末期は主に6000形・6050形7両または8両で運行していた。
快速急行
2001年(平成13年)1月20日のダイヤ改正で新設され[36]、2010年3月27日のダイヤ改正まで設定されていた[37] 種別で、平日朝に上り2本(大牟田駅・西鉄柳川駅発各1本)が運行されていた。両列車ともに8両編成での運行[36]。また、2本とも途中駅で特急を待避しなかった。
同改正以前にあった朝ラッシュ時の上り急行で、二日市駅以北の急行停車駅(大橋駅・春日原駅・下大利の各駅)を通過していた8両編成の列車を格上げする形で新設された[36]。
停車駅は、通常の急行停車駅から春日原駅と下大利駅を差し引いたもの。この2駅に停車しない理由は、ラッシュ時の急行の遠近分離による混雑緩和のためと、当時の春日原駅は踏切の制約などにより8両編成の列車が停車できなかったためである(ドアカットを行えない)。一方、以前より8両編成以上が停車できた大橋駅については、新規に停車することとなった。
車両は主に6000形・6050形の8両編成が使用された。
准急(じゅんきゅう)
1939年(昭和14年)7月1日の大牟田線全通時に初めて設定された。停車駅は九鉄福岡駅(現・西鉄福岡(天神)駅) - 春日原駅間の各駅、二日市駅、久留米駅 - 大牟田駅間の各駅で、運転間隔は25分、所要時間は福岡駅 - 久留米駅間が45分、福岡駅 - 大牟田駅間が110分となっていた。 1956年(昭和31年)12月1日より、早朝と夜間を除いてローカル急行列車に格上げされる形で運転本数が減らされ、1958年(昭和33年)4月1日のダイヤ改正で全廃された[38][39]。
表記は「准急」であり、「準急」ではない。
ローカル急行
1956年(昭和31年)12月1日ダイヤ改正で、准急列車の一部を格上げする形で設定された。停車駅は二日市駅、小郡駅、宮の陣駅および久留米駅以南の各駅となっていた。福岡駅 - 久留米駅間の所要時間は42分。1959年(昭和34年)5月1日ダイヤ改正で、従来の急行が特急に改称されたのと同時に、ローカル急行は急行に改称されて名称が消滅した[38][39]。
運転本数
2024年(令和6年)3月16日改正ダイヤの日中の各区間における1時間あたりの運転本数は以下の通り。
| 種別\駅名 | 西鉄福岡(天神)駅 | … | 西鉄二日市駅 | … | 筑紫駅 | … | 西鉄小郡駅 | … | 宮の陣駅 | … | 花畑駅 | … | 大善寺駅 | … | 大牟田駅 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 運行本数 | 特急 | 2本 | ||||||||||||||||||||
| 急行 | 2本 | |||||||||||||||||||||
| 2本 | 2本 | |||||||||||||||||||||
| 普通 | 2本 | |||||||||||||||||||||
| 2本 | ||||||||||||||||||||||
| 2本 | ||||||||||||||||||||||
| 甘木線← | 2本 | |||||||||||||||||||||
2020年の特別ダイヤ
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、2020年(令和2年)4月から5月の緊急事態宣言期間中、当線では土日祝日を対象に特別ダイヤを設定して運行していた。感染拡大の初期段階で、人流を大幅に減らす動きから、これから数回実施されることとなる特別ダイヤとは異なり、新しいダイヤのもとで運行された。
以下に、西鉄福岡(天神)駅を発車する、日中の下りダイヤをまとめる。
| 時間 | 行先 | 種別 |
|---|---|---|
| 毎時00分 | 大牟田駅 | 急行 |
| 毎時15分 | 筑紫駅 | 普通 |
| 毎時30分 | 花畑駅 | 急行 |
| 毎時47分 | 花畑駅 | 普通 |
※太宰府線:毎時2本、甘木線直通:毎時1本
最速種別の「特急」の運行を取りやめ、急行を原則として7連ロングシート車両での運行とした。普通についても長編成化が行われた。急行も含め、緩急接続がない停車駅でも、停車時間を長く確保して換気を行えるよう配慮された。
また、始発を遅らせ、柳川駅発大牟田駅行き急行が6:03、西鉄福岡(天神)駅発花畑駅行きが6:10、大牟田駅行き急行が6:23など、大幅に変更された。同様に終電の繰り上げも実施され、全線通しの西鉄福岡(天神)駅発大牟田駅行き急行が21:00には終了し、最終電車の筑紫駅行き普通も22:21となる大幅なダイヤ変更が実施された。
2021年の特別ダイヤ
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が発出され、福岡県からの要請を受けた際には、土日祝日に特別ダイヤによる運行が行われていた。
ダイヤについては、日中は、通常の土日祝日ダイヤ(共通)から急行花畑駅行きおよび急行小郡駅行き(筑紫駅から各駅停車)を差し引いたもの、すなわち特急と普通の2種別による運行が行われていた。輸送力確保のため、特急は5000形または6000形・6050形の7両編成が原則となっていた(一部3000形7両編成も見られた。こちらは通常では見られない編成である)。また、普通においても、3000形5-6両、9000形5-6両など、変則的な運行が実施されていた。なお、5000形や6000形・6050形の4両編成による通常の車両による運行も行われていた。早朝・深夜時間帯においても、一部運行されない列車が存在した。
終電については原則として繰り上げを行わなかったが、特別ダイヤ実施の際の感染状況を考慮し23時00分福岡(天神)駅発の「急行 柳川ゆき」に繰り上げることもあった。なお、終電繰り上げを実施した場合も、ダイヤ及び車両運行の調整の都合上、回送列車として列車の運行を行い、車両基地への送り込みを行なっていた。
女性専用車両
平日の概ね7時30分から9時過ぎまでの間に西鉄福岡(天神)駅に到着する上り優等列車の最後部(大牟田寄り)1両は女性専用車両となっている。途中駅から急行運転を開始する普通電車も同様である[40]。
なお、小学生以下の旅客や身体障害者および介助者の旅客は女性専用車両に乗車可能である、としている。
快速急行の廃止直前は特急・急行は7両編成、快速急行は8両編成での運行となっていたため、女性専用車両の乗車位置が特急・急行と快速急行とで異なる駅も存在した。その場合は快速急行の乗車口に快速急行の種別カラーであるオレンジ色を用いて、他の種別との乗車位置の違いを区別していた。2012年3月24日ダイヤ改正では西鉄福岡(天神)駅に9時過ぎに到着する上り特急が設定対象外となったため、女性専用車両の設定対象全列車が急行となったが、2014年3月22日のダイヤ改正では同列車が再度設定対象となった。
サイクルトレイン
実証実験
2021年(令和3年)10月23日から12月12日まで、土日祝日の西鉄福岡(天神)駅を10時00分から16時00分に、大牟田駅を10時23分から15時53分に出発する特急列車を対象に手数料・追加料金等一切不要で自転車を持ち込むことができる「サイクルトレイン」のサービスを試験的に導入した[41]。福岡県の「サイクルツーリズム」の取り組みと連携するとともに、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献へもつながるとしている。全ての特急停車駅で利用可能。大牟田側1両を自転車持ち込み可能車両とする。また、転倒を防止するため自転車を固定ベルトで固定する必要がある。
また、好評につき後日、対象列車が拡大された。
本格導入
2022年(令和4年)3月26日より、サイクルトレインの本格実施が始まった。持ち込み可能列車は西鉄福岡(天神)駅を6時23分から16時00分まで、大牟田駅を10時23分から21時24分までに発車する土日祝日に運行される特急列車で、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始は持ち込み不可となる[42]。
持ち込みにあたり、運賃に加えて1回300円の持ち込み料が必要になる。また、事前予約制とし、乗車の1か月前から10分前までにLINEにて乗車の予約およびクレジットカードによる持ち込み料の支払いを済ませておく必要がある。その際、乗車位置が指定され、乗車の際は、進行方向右側の使用しない扉付近や使用されていない車椅子スペースに乗車する。1両あたり2台、1列車で最大12台の自転車の乗車が可能である。
2023年度(令和5年度)よりお盆も利用可能となった[43]。2024年3月16日のダイヤ改正で春日原駅が特急停車駅となったが、この時点では利用対象駅とはならなかった[44]。
2024年(令和6年)10月5日より、春日原駅を対象駅に追加し、同年10月7日より平日も利用可能となる。持ち込み可能列車は、西鉄福岡(天神)駅発が平日9時00分から16時00分まで、土日祝日6時30分から16時00分まで、大牟田駅発が全日の10時23分から21時23分までに発車する特急列車で、引き続きゴールデンウィーク・年末年始は持ち込み不可となる[45]。
車両
現用車両
- 9000形:2017年(平成29年)に既存の5000形の代替となる通勤型車両として登場。3000形をベースに安全・サービス・省エネルギーの性能を向上させた。デザインは前に進む力強さと次世代型車両としての新しさを表現しつつ、車体側面には歴代の車両でも多く採用されている赤帯を配置。客室は片側3扉で全席ロングシートである。また5000形に比べて1人あたりの座席幅を拡大させるとともに、出入り口間の座席は9人掛け、車端部は4人掛けに定員は縮小した。液晶画面の車内案内表示器は各扉上部に2台ずつ設置したほか、UVカットガラスや車椅子・ベビーカーの優先スペース設置などバリアフリー拡充も図った[46]。5000形の代替車両であり、現状は主に急行運用に充当されている。
- 3000形:優等運用を主とする、転換クロスシート型の車両。2006年3月に600形・700形の代替として西鉄初のステンレス車両として登場した。扉は1車両片側3つで、1車両に2人掛けクロスシートが20脚、乗務員室と接しない車端部には4人掛けロングシートを設置。また、2007年(平成19年)にローレル賞を受賞した[47]。2021年(令和3年)3月〜2024年(令和6年)3月までの間は、平日日中の特急の運行が取り止められたため、西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄小郡駅間の普通列車の運用にも充てられていた。2026年3月(臨時列車および正式列車種別名ではなかった時代を含めると2024年4月)より、「Nライナー」に充当されている[17]。
- 7000形・7050形:ワンマン運転機能を備えた通勤用車両で、6000形・6050形との併結を考慮しつつ、短編成でのワンマン運転にも対応している。6000形に続く4扉車で、車内にはLED車内案内表示板を設置。座席はロングシートである[48]。また、マイナーチェンジされた7050形は内装・機能は7000形を踏襲し、車体は3扉に変更された[49]。主に、甘木線直通の甘木駅 - 大牟田駅間で運用され、ワンマン運行の場合は必ずこの車両が使用される。2026年現在では、天神大牟田線北部地域の普通列車や、2両編成を3本つないだ6両編成での特急運用も存在する。
- 6000形・6050形:普通列車での運行を主とする車両で、5000形をベースに製造された西鉄初の4扉車である。空調のマイコン化や客室と乗務員室の双方向通話可能な非常通報装置、車椅子スペースの新設など、旅客サービスの向上が図られた[50]。また、2年後には、マイナーチェンジが行われた6050形が登場。西鉄初のVVVF制御装置と誘導電動機が採用され、以後製造される車両の基となった。6157号車ではボルスタレス台車を採用した[51]。車内は6000形・6050形共通でドア上にLED車内案内表示板が設置されている。また、ラッシュ時は4扉の持ち前の輸送力を活かして急行・特急に多く充当されている。
- 5000形:普通列車での運行を主とし、ラッシュ時には特急・急行としても運用される、天神大牟田線の主力車両である。1975年から40編成が製造されたが、老朽化の進行により、9000形への置き換えも徐々に進んでいる。扉は1車両片側3つ、座席は全てロングシートで通勤時の輸送力の向上を図っている[52]。
- 911F:5000形3両編成を改造した救援車。
- 9000形
- 3000形
- 7000形
- 7050形
- 6000形
- 6050形
- 5000形
- 911F
車両についての計画
西鉄が公開した令和4年度「移動等円滑化取組報告書(鉄道車両)[53]」において以下の2点について記述されている。
過去の車両
廃車や改造、貝塚線(旧・宮地岳線)への転出などにより天神大牟田線から消滅した車両を以下に示す。開業時から1960年代の2代目600系出現以前までに製造・鋼体化改造された車両は、形式ごとに規格・性能の差異が大きく、車体サイズの大小(13m級から18m級、連接車までの混在)や扉数の不統一(2・3扉の混在)が著しかった。時代ごとの輸送需要や路線延伸計画の状況により、九州鉄道およびその継承企業たる西鉄が、大牟田線の車両施策を一貫できなかったことの表れと言える。これらの雑多な混在状況は、2代目600系以降の通勤型電車規格化・大型化で徐々に改善されていった。
- 1形
- 50形
- 10形
- 20形
- 100形
- 200形
- 301形
- 303形・308形
- 313形
- 500形
- 600形(初代)
- 600形(2代):貝塚線に転出した車両は現在も使用されている。
- 700形
- 1000形
- 1300形
- 2000形
- 8000形
- モワ800形(→モエ800形)(救援車)
- モト900形(事業用車)
- モエ900形901・902(救援車)
- 300形
- 600形
- 700形
- 1000形
- 2000形
- 8000形
車両数の変遷
| 年 | 9000 | 8000 | 7050 | 7000 | 6050 | 6000 | 3000 | 2000 | 5000 | 700 | 600 | 1000 | 1300 | 300 | 200 | 100 | 20 | 合計(冷房車) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1978 | 36 | 39 | 4 | 57 | 20 | 8 | 22 | 30 | 12 | 18 | 246(136) | |||||||
| 1982 | 36 | 63 | 4 | 57 | 24 | 8 | 20 | 30 | 12 | 4 | 258(160) | |||||||
| 1983 | 36 | 72 | 4 | 57 | 24 | 8 | 20 | 30 | 6 | 257(181) | ||||||||
| 1984 | 36 | 90 | 4 | 57 | 24 | 8 | 14 | 30 | 263(211) | |||||||||
| 1985 | 36 | 103 | 4 | 57 | 24 | 8 | 14 | 30 | 276(232) | |||||||||
| 1986 | 36 | 118 | 4 | 57 | 24 | 8 | 11 | 30 | 288(239) | |||||||||
| 1987 | 36 | 127 | 4 | 57 | 24 | 30 | 278(248) | |||||||||||
| 1988 | 36 | 130 | 4 | 57 | 24 | 30 | 281(251) | |||||||||||
| 1989 | 18 | 36 | 130 | 4 | 57 | 24 | 30 | 299(269) | ||||||||||
| 1990 | 36 | 36 | 130 | 4 | 57 | 24 | 3 | 290(287) | ||||||||||
| 1991 | 36 | 36 | 133 | 4 | 51 | 24 | 3 | 287(284) | ||||||||||
| 1992 | ||||||||||||||||||
| 1993 | 36 | 10 | 36 | 136 | 4 | 46 | 24 | 3 | 295(292) | |||||||||
| 1994 | 36 | 30 | 36 | 136 | 4 | 46 | 24 | 312(312) | ||||||||||
| 1995 | 36 | 8 | 30 | 36 | 136 | 4 | 46 | 24 | 320(320) | |||||||||
| 1996 | 36 | 12 | 30 | 36 | 136 | 4 | 46 | 20 | 320(320) | |||||||||
| 1997 | 36 | 12 | 30 | 36 | 136 | 4 | 46 | 20 | 320(320) | |||||||||
| 1998 | 36 | 23 | 30 | 36 | 136 | 4 | 46 | 16 | 327(327) | |||||||||
| 1999 | 36 | 23 | 30 | 36 | 136 | 4 | 46 | 16 | 327(327) | |||||||||
| 2000 | 36 | 26 | 33 | 36 | 136 | 4 | 43 | 12 | 326(326) | |||||||||
| 2001 | 36 | 12 | 26 | 33 | 36 | 136 | 4 | 43 | 326(326) | |||||||||
| 2002 | 36 | 22 | 26 | 33 | 30 | 136 | 4 | 31 | 318(318) | |||||||||
| 2003 | 36 | 6 | 22 | 26 | 33 | 30 | 136 | 4 | 29 | 322(322) | ||||||||
| 2004 | 36 | 12 | 22 | 26 | 33 | 30 | 136 | 4 | 19 | 318(318) | ||||||||
| 2005 | 36 | 18 | 22 | 26 | 33 | 30 | 136 | 4 | 15 | 320(320) | ||||||||
| 2006 | 36 | 18 | 22 | 26 | 33 | 6 | 30 | 136 | 4 | 10 | 321(321) | |||||||
| 2021 | 29 | 18 | 22 | 22 | 33 | 60 | 103 | 293(293) | ||||||||||
| 2023 | 36 | 18 | 22 | 22 | 33 | 60 | 84 | 275(275) | ||||||||||
| 2024 | 36 | 18 | 22 | 22 | 33 | 60 | 81 | 272(272) | ||||||||||
- 1978年は10月1日時点、1982・83年は1月1日時点、1984年以降は4月1日時点
- 『私鉄車両編成表』各年版(ジェー・アール・アール)
- 2021年は8月時点、公式ホームページより
- 911編成(旧5123編成)および6053編成(THE RAIL KITCHEN CHIKUGO)除く
歴史
西鉄福岡(天神)駅 - 津福駅間と大善寺駅 - 大牟田駅間は、西鉄の前身である九州鉄道(2代目)により当初から電化路線として開業した。津福駅 - 大善寺駅間は大川鉄道により1912年(大正元年)に開業した区間で、1937年(昭和12年)に九州鉄道が大川鉄道を吸収合併した際に改軌・電化した上で組み込んだものである。1924年(大正13年)に西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄久留米駅間が開業した当時、炭都大牟田、そして熊本市までの延伸を視野に入れていたが、1939年(昭和14年)に大牟田駅まで開通して以降、土地の確保に難航したことと、熊本県側が協力的ではなかったため、熊本延伸計画は頓挫した[55]。
西鉄福岡(天神)駅 - 西鉄久留米駅間は開通当時から複線区間だが、西鉄久留米駅以南は資金難のため、単線で開業した。その後、八丁牟田駅付近や開駅以南など、特急同士の離合箇所を優先的に複線化したため、西鉄久留米駅以南だけでも約6割は複線化施工済である。大溝駅や倉永駅、西鉄銀水駅など上下本線に挟まれた島式プラットホームの駅が存在するのは複線化の歴史の名残である。
年表
- 1924年(大正13年)4月12日:九州鉄道により福岡駅(現在の西鉄福岡(天神)駅) - 久留米駅(現在の西鉄久留米駅)間が開業。
- 1927年(昭和2年)6月1日:薬院駅開業。
- 1932年(昭和7年)12月28日:九州鉄道により久留米駅 - 津福駅間が開業。
- 1937年(昭和12年)
- 1938年(昭和13年)
- 1939年(昭和14年)7月1日:栄町駅 - 大牟田駅間が開業し、福岡駅 - 大牟田駅間の大牟田線が全通。同日、以下11駅の改称を届出。
- 福岡駅→九鉄福岡駅、平尾駅→九鉄平尾駅、雑餉隈駅→九鉄雑餉隈駅、二日市駅→九鉄二日市駅、小郡駅→九鉄小郡駅、久留米駅→九鉄久留米駅、柳河駅→九鉄柳河駅、中島駅→九鉄中島駅、渡瀬駅→九鉄渡瀬駅、銀水駅→九鉄銀水駅、栄町駅→九鉄栄町駅[56]。
- 1942年(昭和17年)
- 1944年(昭和19年)8月10日:柳川車庫が竣功。
- 1946年(昭和21年):臨時駅として白木原駅開業。
- 1950年(昭和25年)5月6日:白木原駅を常設駅に昇格。
- 1951年(昭和26年)11月1日:西鉄久留米駅 - 試験場前駅(現在の聖マリア病院前駅)間を複線化。
- 1954年(昭和29年)以前:中島信号場を開設。
- 1956年(昭和31年)12月1日:西鉄久留米駅以南の各駅に停車するローカル急行の運行を開始。准急を廃止。
- 1959年(昭和34年)5月1日:急行を特急に格上げ(特別料金不要)。ローカル急行を急行に格上げ。特急・急行・普通の3種別となる。最高速度を85km/hから90km/hに引き上げ[57]。
- 1960年(昭和35年)
- 1961年(昭和36年)
- 1965年(昭和40年)11月20日:開駅 - 倉永駅間を複線化[57]。
- 1966年(昭和41年)10月1日:輸送量増加のため西鉄柳河駅の大牟田方に検車区を新築。車庫も現在地へ移転。
- 1967年(昭和42年)2月:大善寺駅 - 三潴駅間、大溝駅 - 蒲池駅間を複線化。
- 1968年(昭和43年)4月10日:大橋駅 - 春日原駅間で自動列車停止装置(ATS)使用開始[59][60]。
- 1969年(昭和44年)3月1日:櫛原駅 - 西鉄久留米駅間高架化。朝倉街道駅が急行停車駅となる。
- 1970年(昭和45年)4月28日:西鉄栄町駅を福岡寄りに221m移転し、新栄町駅と改称。
- 1971年(昭和46年)3月1日:桜台駅が開業。西鉄雑餉隈駅を雑餉隈駅に、西鉄柳河駅を西鉄柳川駅に改称。
- 1972年(昭和47年)12月26日:西鉄福岡駅 - 大牟田駅間の全区間でATS完備。
- 1974年(昭和49年)6月10日:列車集中制御装置(CTC)完成。
- 1975年(昭和50年)12月20日:シルバーシート設置。
- 1978年(昭和53年)3月3日:西鉄平尾駅 - 大橋駅間を高架化[57]。大橋駅が急行停車駅となる。
- 1982年(昭和57年)3月25日:筑紫車庫・検車区が完成し、使用開始。
- 1983年(昭和58年)3月26日:春日原駅が急行停車駅となる。特急列車の最高速度を95km/hから100km/hに引き上げ[57]。
- 1987年(昭和62年)
- 1989年(平成元年)9月1日:下大利駅が急行停車駅となる[62]。
- 1992年(平成4年)3月25日:三国が丘駅が開業[63]。
- 1994年(平成6年)3月:気象観測システム導入[64]。
- 1995年(平成7年)
- 1997年(平成9年)
- 2001年(平成13年)
- 2004年(平成16年)10月17日:西鉄久留米駅 - 津福駅間を高架化[68][69]花畑駅が全列車停車駅となる[69]。
- 2008年(平成20年)
- 2010年(平成22年)3月27日:紫駅が開業。直行・快速急行を廃止し、3種別となる。
- 2011年(平成23年)度:雑餉隈駅 - 下大利駅間の高架化工事に着手[70][71]。
- 2012年(平成24年)
- 2014年(平成26年)3月22日:午前中に西鉄福岡(天神)駅発太宰府駅行き急行平日3本・土休日5本を新設。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)5月15日:上り普通列車が扉が完全に閉まらない状態で白木原駅を発車、そのまま雑餉隈駅まで運行する重大インシデントが発生。負傷者はいなかった[72]。
- 2019年(平成31年)
- 2020年(令和2年)9月10日:JR九州の「A列車で行こう」と西鉄の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」が初のコラボ。大牟田駅がJRと西鉄の共同使用駅であることを活用し、両列車を片道ずつ利用し大牟田市内にある「石炭産業科学館」や「宮原坑」などの石炭産業を見学するツアーを実施[74]。
- 2021年(令和3年)4月1日:駅集中管理システムを導入。西鉄柳川駅および実施済の矢加部駅、徳益駅を除く三潴駅 - 西鉄銀水駅間の各駅を終日無人駅化[75][76]。
- 2022年(令和4年)
- 2024年(令和6年)
- 2025年(令和7年)- 2027年(令和9年):貝塚線の運用を担っている600形8編成16両を廃車し、代替車両として当線から貝塚線に7050形全車(9編成18両)が車両再生工事を受けた上で転属する[53][54]。
今後の動き
駅一覧
- 全駅福岡県内に所在。
- 普通列車は全駅に停車するため省略。
- 途中で急行から普通、普通から急行に種別を変更する列車あり。
- JR(旧国鉄)の駅との混同を避けるため駅名に「西鉄」を冠する駅が多い。ただし、白木原駅など、同時に存在した時期があるにもかかわらず、「西鉄」を冠したことがない駅もある。なお、雑餉隈駅は元々「西鉄」を冠していたが、1966年に国鉄の駅が雑餉隈駅から南福岡駅と改称したことを受け、1971年に「西鉄」が削除された。
- 凡例
- 停車駅 … ●:停車、▲:平日朝時間帯の上りのみ停車、|:通過、↓:通過(下り方向のみ運転)
- 線路 … ||:複線区間、◇:単線区間(列車交換可能)、|:単線区間(列車交換不可)、∨:ここより下は単線、∧:ここより下は複線
- #印のある駅は複線区間における列車待避可能駅
| 駅番号 | 駅名 | 駅間 キロ |
営業 キロ |
急行 | 特急 | Nライナー | 接続路線 | 線路 | 所在地 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| T01 | 西鉄福岡(天神)駅 | - | 0.0 | ● | ● | ● | 福岡市地下鉄: 福岡市地下鉄: |
|| | 福岡市 | 中央区 | |
| T02 | 薬院駅 | 0.8 | 0.8 | ● | ● | ● | 福岡市地下鉄: |
|| | |||
| T03 | 西鉄平尾駅 | 1.0 | 1.8 | ▲ | | | ↓ | || | ||||
| T04 | 高宮駅 | 1.1 | 2.9 | ▲ | | | ↓ | || | 南区 | |||
| T05 | 大橋駅# | 1.4 | 4.3 | ● | ● | ↓ | || | ||||
| T06 | 井尻駅 | 1.8 | 6.1 | | | | | ↓ | || | ||||
| T07 | 雑餉隈駅 | 1.9 | 8.0 | | | | | ↓ | || | 博多区 | |||
| T08 | 桜並木駅 | 0.5 | 8.5 | | | | | ↓ | || | ||||
| T09 | 春日原駅# | 1.0 | 9.5 | ● | ● | ↓ | || | 春日市 | |||
| T10 | 白木原駅 | 1.3 | 10.8 | | | | | ↓ | || | 大野城市 | |||
| T11 | 下大利駅 | 0.8 | 11.6 | ● | | | ↓ | || | ||||
| T12 | 都府楼前駅 | 2.2 | 13.8 | | | | | ↓ | || | 太宰府市 | |||
| T13 | 西鉄二日市駅# | 1.4 | 15.2 | ● | ● | ● | 西日本鉄道:D 太宰府線 | || | 筑紫野市 | ||
| T14 | 紫駅 | 0.9 | 16.1 | | | | | ↓ | || | ||||
| T15 | 朝倉街道駅 | 1.5 | 17.6 | ● | | | ↓ | || | ||||
| T16 | 桜台駅 | 1.8 | 19.4 | | | | | ↓ | || | ||||
| T17 | 筑紫駅# | 1.4 | 20.8 | ● | | | ↓ | || | ||||
| T18 | 津古駅 | 2.2 | 23.0 | | | | | ↓ | || | 小郡市 | |||
| T19 | 三国が丘駅 | 1.1 | 24.1 | ● | | | ↓ | || | ||||
| T20 | 三沢駅 | 1.5 | 25.6 | | | | | ↓ | || | ||||
| T21 | 大保駅 | 1.4 | 27.0 | | | | | ↓ | || | ||||
| T22 | 西鉄小郡駅# | 1.7 | 28.7 | ● | | | ↓ | 甘木鉄道:甘木線(小郡駅) | || | |||
| T23 | 端間駅 | 2.0 | 30.7 | | | | | ↓ | || | ||||
| T24 | 味坂駅 | 3.0 | 33.7 | | | | | ↓ | || | ||||
| T25 | 宮の陣駅 | 2.8 | 36.5 | ● | | | ↓ | 西日本鉄道:A 甘木線 | || | 久留米市 | ||
| T26 | 櫛原駅 | 1.2 | 37.7 | | | | | ↓ | || | ||||
| T27 | 西鉄久留米駅# | 0.9 | 38.6 | ● | ● | ● | || | ||||
| T28 | 花畑駅# | 0.9 | 39.5 | ● | ● | ● | || | ||||
| T29 | 聖マリア病院前駅 | 0.6 | 40.1 | | | | | ↓ | ∨ | ||||
| T30 | 津福駅 | 1.3 | 41.4 | | | | | ↓ | ◇ | ||||
| T31 | 安武駅 | 1.4 | 42.8 | | | | | ↓ | ◇ | ||||
| T32 | 大善寺駅 | 2.3 | 45.1 | ● | ● | ● | ∧ | ||||
| T33 | 三潴駅 | 1.8 | 46.9 | | | | | ↓ | || | ||||
| T34 | 犬塚駅 | 1.1 | 48.0 | | | | | ↓ | || | ||||
| T35 | 大溝駅 | 2.6 | 50.6 | | | | | ↓ | || | 三潴郡 大木町 | |||
| T36 | 八丁牟田駅 | 2.3 | 52.9 | | | | | ↓ | || | ||||
| T37 | 蒲池駅 | 2.6 | 55.5 | | | | | ↓ | ∨ | 柳川市 | |||
| T38 | 矢加部駅 | 1.8 | 57.3 | | | | | ↓ | | | ||||
| T39 | 西鉄柳川駅 | 1.1 | 58.4 | ● | ● | ● | ◇ | ||||
| T40 | 徳益駅 | 1.3 | 59.7 | | | | | ↓ | | | ||||
| T41 | 塩塚駅 | 1.4 | 61.1 | | | | | ↓ | ◇ | ||||
| - | 中島信号場 | - | (63.1) | | | | | ↓ | ◇ | ||||
| T42 | 西鉄中島駅 | 2.4 | 63.5 | | | | | ↓ | | | ||||
| T43 | 江の浦駅 | 1.6 | 65.1 | | | | | ↓ | ◇ | みやま市 | |||
| T44 | 開駅 | 1.5 | 66.6 | | | | | ↓ | ∧ | ||||
| T45 | 西鉄渡瀬駅# | 1.3 | 67.9 | | | | | ↓ | || | 大牟田市 | |||
| T46 | 倉永駅 | 1.7 | 69.6 | | | | | ↓ | || | ||||
| T47 | 東甘木駅 | 1.2 | 70.8 | | | | | ↓ | || | ||||
| T48 | 西鉄銀水駅 | 1.3 | 72.1 | | | | | ↓ | || | ||||
| T49 | 新栄町駅 | 1.6 | 73.7 | ● | ● | ● | || | ||||
| T50 | 大牟田駅 | 1.1 | 74.8 | ● | ● | ● | 九州旅客鉄道: |
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鹿児島本線の駅と近接している駅
上表の接続路線・備考欄の駅のほかに、西鉄とJRの駅同士が1km未満、概ね徒歩5分から15分以内での移動が可能で、徒歩連絡できる駅もある。以下にそれらの例を記す。左側が西鉄の駅、右側がJR(鹿児島本線)の駅である。
- 井尻駅 - 笹原駅(約600m)
- 雑餉隈駅 - 南福岡駅(約800m)
- 桜並木駅 - 南福岡駅(約700m)
- 春日原駅 - 春日駅(約500m)
- 白木原駅 - 大野城駅(約750m)
- 下大利駅 - 水城駅(約600m)
- 紫駅 - 二日市駅(約500m)
- 朝倉街道駅 - 天拝山駅(約600m)
- 倉永駅 - 吉野駅(約900m)
- 西鉄銀水駅 - 銀水駅(約500m)
主に鹿児島本線と天神大牟田線が近い範囲で並走する福岡市南部(南区・博多区)や筑紫地域および大牟田市内において、徒歩連絡が可能な駅が存在する。
薬院駅 - 博多駅間、大橋駅 - 竹下駅間、西鉄二日市駅・紫駅 - JR二日市駅間、筑紫駅 - 原田駅間、西鉄久留米駅 - JR久留米駅間、花畑駅 - 久留米高校前駅(久大本線)間はそれぞれ1km以上の距離があるが、各駅間に西鉄バスが運行されており、路線バス利用で10分前後で移動できる。薬院駅 - 博多駅間は西鉄バスのほか、2023年(令和5年)には福岡市地下鉄七隈線が延伸開業しており、地下鉄とバスによる競合区間となっている。