相似拡大的選好
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財が2種類 の経済において、準同次的選好は次の性質を持つ効用関数 によって表される。任意の に対して
のとき、選好が相似拡大的であるという。
数学において、準同次関数とは同次関数の単調変換である[2]。ただし、序数的効用は任意の増加単調変換までしか定義されないため、消費者理論における準同次性の概念とはわずかな相違がある[1]:147。
競争的消費者が準同次的効用関数を予算制約の下で最大化するモデルにおいては、消費者の需要比率は所得や規模ではなく相対価格のみに依存する。このことは、所得に対して線形の拡張経路を意味し、無差別曲線の傾きは原点から出る半直線に沿って一定である[1]:482。すなわち、各財のエンゲル曲線は線形となる。
さらに、間接効用関数は所得 に対して線形に書ける。
これはゴーマン極形式の特別な場合である。したがって、すべての消費者が準同次的選好(かつ所得に対する係数が同じ)を持つならば、集計需要は同じ選好と総所得を持つ「代表的消費者」を考えることで求められる[1]:152–154。
例
CES型関数の効用関数は準同次的である。例えば次のように表される。
この関数は1次の同次関数である。
線形効用関数、レオンチェフ型効用関数、コブ=ダグラス型効用関数はCES関数の特殊な場合であり、したがって準同次的である。
一方、準線形効用関数は常に準同次的とは限らない。例えば は同次関数として表すことができない。
同時点的 vs. 異時点的準同次選好
同時点的(intratemporal)準同次選好とは、同一時点において、異なる所得を持ちながら同じ価格に直面し、かつ同じ選好を持つ消費者が同じ比率で財を需要する場合を指す。
異時点的(intertemporal)準同次選好とは、異なる所得水準を持つ意思決定者が、時間を超えて比例的な消費の変動に対して同じ程度の嫌悪を示す場合を指す。
現代のマクロ経済学や公共経済学のモデルでは、期内効用として相対的危険回避度一定型(CRRA)の効用関数(パワー効用、等弾性効用関数とも呼ばれる)がよく仮定される。この仮定と時間的加法性を組み合わせることで、異時点的準同次選好が得られ、定常状態の分析などにおいて解析上の便宜が大きい。この仮定は、異時点的代替の弾力性とその逆数である危険回避係数が一定であることを意味する。