マーシャル需要関数

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マーシャル需要関数(マーシャルじゅようかんすう、: Marshallian demand function)は、ある財について、その価格・所得・他の財の価格の関数として表される需要量であり、標準的な需要関数のより技術的な定式化である。アルフレッド・マーシャルに由来する。マーシャル需要関数は、与えられた所得と価格の下で消費者が効用を最大化するという効用最大化問題の解となる。別名として非補償需要関数があり、これは価格が上昇しても実質所得の減少に対して名目所得の増加で補償されないためである(ヒックス需要関数とは異なる)。したがって、需要量の変化は代替効果所得効果の組み合わせである。マーシャル需要は部分均衡理論の文脈で用いられるが、一般均衡理論ではワルラス需要レオン・ワルラスに由来)と呼ばれることもある。

効用最大化問題によれば、種類の財があり、その価格ベクトルを、選択可能な数量ベクトルをとする。消費者の所得はであり、したがって購入可能な集合(予算集合)は次のように表される。

ここで、 は価格ベクトルと数量ベクトルのドット積である。消費者は効用関数をもつ:

消費者のマーシャル需要対応は次のように定義される。

マーシャルの理論は、効用の追求が消費者の動機であり、それは財やサービスの消費を通じて得られるとする。消費者の効用の大きさは、特定の財の消費水準に依存し、それは人間の本性の基本的傾向に基づいており、限界効用逓減の法則として説明される。

効用最大値は常に存在するため、マーシャル需要対応は標準的な予算集合の各点で必ず非空となる。

一意性

は一般に集合値をとりうるため「対応」と呼ばれる。つまり、同じ最大効用を達成する異なる消費バンドルが複数存在することがありうる。しかし、各価格と所得に対して効用最大化バンドルが一意に存在する場合、は関数となり、マーシャル需要関数と呼ばれる。

消費者が凸選好をもち、すべての財の価格が正である場合、効用最大化バンドルは一意である[1]:156。背理法で証明できる。異なるバンドルが効用を最大化すると仮定すると、両者は無差別である。定義上、選好が厳密に凸であれば、混合バンドルよりも厳密に好まれる。これは最適性と矛盾する。

連続性

最大値定理英語版により次が成り立つ:

  • 効用関数について連続であり、
  • 対応が非空・コンパクト値をとり、について連続であれば、

上半連続写像となる。さらにが一意なら、それはの連続関数である[1]:156,506

以上を組み合わせると、消費者が厳密に凸な選好をもてば、マーシャル需要は一意かつ連続である。一方、選好が凸でない場合、需要は一意でなく非連続となりうる。

同次性

連続効用関数の下での最適マーシャル需要対応は、同次関数であり、次数はゼロである。すなわち任意の定数に対して、

これは直観的に明らかである。たとえばをドルで測定した場合、とするとはセント単位での同じ数量を意味する。価格と所得が同じ比率で増加しても消費者の購買パターンは変化しない。価格や所得を異なる単位で表現しても需要は影響を受けない。

需要曲線

マーシャルの理論によれば、需要曲線は財の限界効用の逓減を表す。消費者の購買決定は、財やサービスの価格に対して得られる効用に依存する。追加的効用は価格以上でなければならないため、需要価格は消費者が追加単位に支払ってもよい最大価格に等しいと考えられる。したがって効用は需要曲線上で一定に保たれる。限界効用が一定、あるいは市場全体で同一であれば、需要価格を合計することで消費者余剰を得ることができる。

「価格」と「限界効用=需要」の交点が消費者の最適消費量を示す。

出典

参考文献

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