梅雨と西洋風呂
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水尾市で酒醸造業を営む鐘崎義介は、市政新聞「民知新聞」を創刊、市政批判で人気を売り、市会議員に当選した。保守政党の憲友党内の反主流派として市政批判を継続する義介のもとを、食い詰め者の土井源造が訪ね、面接した義介は源造を民知新聞社で採用する。
二年余りが経ち、義介は新聞のつくり方に慣れた源造を編集長に任命、源造の働きあって義介は市会議員に再選を果たすが、繁華街の割烹で、次の市長選挙では現市長は出馬しないかもしれないという噂を耳にする。市政主流派の宮山晋治郎が次期市長に立候補するのではないかと思った義介は、源造を現市長に当たらせ反応を探る一方、県連の幹部に会って様子をつかむため、県庁所在地の雲取市に出張する。雲取市内の波津温泉に宿をとった義介は、旅館の女中の手引きでトンネル・バーに導かれ、若い美女との「恋愛」を斡旋される。カツ子と名乗った女性と義介の交渉が成立し、ピンクの西洋風呂に入るよう促される。
義介はこれまで考えてもみなかった若い女の身体に夢中になり、雲取市への出張回数が急に増えた。鈍重な土井源造は義介の変化に何も気づくふうでなかった。民知新聞に身が入らなくなった義介は、新聞の実務を源造に依存するようになる。その間、義介の気づかない変化が周囲に起こっていた。