黒の回廊

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日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
黒の回廊
小説ラストの舞台となるアイガー
小説ラストの舞台となるアイガー
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
発表形態 雑誌連載
初出情報
初出 『松本清張全集』第一期月報 1971年4月 - 1974年5月
出版元 文藝春秋
挿絵 杉全直
刊本情報
刊行 『黒の回廊』
出版元 文藝春秋
出版年月日 1976年1月15日
装画 鳥海青児
挿絵 杉全直
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黒の回廊』(くろのかいろう)は、松本清張の長編推理小説。女性限定のヨーロッパ観光ツアーで起こる連続殺人事件を描くミステリー長編である。『松本清張全集』(第一期)付属の月報に連載され(1971年4月刊行分 - 1974年5月刊行分、連載中の挿絵は杉全直)、加筆の上、1976年1月に文藝春秋から刊行された[注 1]

1984年2004年にテレビドラマ化されている。

女性だけの25日間ヨーロッパツアー旅行が企画され、多少のトラブルはあったものの、無事日本を出発した。しかし、早くも女同士の牽制や見栄の張り合い・嫉妬が交錯し、先の思いやられる中、航空機乗り継ぎのアンカレッジ、さらに最初の観光地・コペンハーゲンで、ツアー参加者が怪事件に遭遇する。警察沙汰になるのを何とか押しとどめたものの、スコットランドで遂に、ツアー参加者の殺害事件に発展してしまう。

やがて関係者がスイスに集められ、一同注視のもと、事件の謎解きが始められたが…。

主な登場人物

ロンドン近郊のウィンザー城
スコットランド・リーブン湖上の小島の古城跡
  • 原作における設定を記述。
土方悦子
江木の推薦で今回のツアーのガイドに抜擢される。27歳だが、年齢より幼く見られる。文学好きで、ツアー上でも知識を生かそうと張り切るが…。
門田良平
中堅旅行会社のベテラン添乗員。経験豊かでプライドも高いが、ツアー参加女性の身勝手や怪事件の発生にてんてこ舞いとなる。
梶原澄子
産婦人科病院長の未亡人。医療知識を持つが、藤野のことが何かと気に入らず、添乗員の門田に宿泊部屋の変更を訴える。43歳。
藤野由美
美容デザイナー。英語に堪能だが、ツアー先で外国人相手にモデル紛いの行動を始めるなど、門田を困惑させる。37歳。
多田マリ子
飲食店経営のマダム。ツアー中も高級な和服を着用している。周囲を気にしない女性かと思いきや、意外な行動も見せる。40歳。
星野加根子
梶原と同じく未亡人の身。あまり行動的でなく、他のツアー参加者とも打ち解けて話さない。38歳。
竹田郁子
私立高校で国語を教えている女性教師。清楚な雰囲気を持つ。31歳。
金森幸恵
西武新宿線沼袋駅近くに住む魚屋の妻。下町言葉を使い早口。今回のツアー参加者の最年長。45歳。
鈴木道夫
フリーのルポライター兼カメラマン。ヨーロッパ在住で日本のマスコミに記事を流しているが、怪事件をキャッチして以降、ツアーにまとわり付いてくる。
江木奈岐子
最近マスコミにも登場する旅行評論家。田園調布在住。悦子をツアーガイドに推薦する。45歳。
エドワード・イングルトン
スコットランド・キンロス警察署の部長刑事。
クリフォード・ヒューズ
ロンドン警視庁捜査課の警部。

エピソード

  • 本作の構想・執筆は、文藝春秋で著者の担当編集者を長く務めてきた藤井康栄がそれまで海外へ一度も行っていなかったため、藤井を出張させるよう、著者が文藝春秋の編集局長に話をつけるところから始められ、当時の団体旅行参加者の生態を藤井が取材する形で進められた[1]
  • 本作は『松本清張全集』(第一期)付属の月報に連載されたが、結末部分は書き下ろしとなり、同全集の購読者への、単行本プレゼント企画が行われた[2]。通常版の単行本発売(1976年1月)に先立って、1975年9月に同企画用の単行本(非売品)が作られている。同企画版は函入りで製作され、装丁は『松本清張全集』と相似したものとなっている。
  • 連載時と単行本化時ではおもに以下の差異がある。連載版ではツアーはアンカレッジからロンドンに直行する設定であったが、コペンハーゲン到着は単行本化時に追加された(単行本でツアー客がコペンハーゲンで遭遇する怪事件は、連載版ではロンドンで起こる設定)。また、連載版ではスコットランドへ向かう列車内の場面で「されば、作者もこの登場人物の睡眠の間を利用して、しばらくは茶飲み話的な筆を弄することにしたい」として著者のエッセイが挿入され、コナン・ドイルバスカヴィル家の犬』を挙げるなどしながら自身のイギリス旅行を回想する記述がなされていたが、単行本では全て削除された。東秀紀は、前者は著者が初めてヨーロッパに降り立った地としての感動を忘れられず、完成版にコペンハーゲンを加えたかったため、後者は連載時に清張がイギリスの本格ミステリを強く意識しながら、辻褄のあう終末を考え付くのに苦心したことのあらわれと推測している[3]

作品の舞台

テレビドラマ

脚注

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