空白の意匠
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地方紙Q新聞の広告部長の植木欣作は、和同製薬が力を入れて宣伝している強壮剤「ランキロン」の広告の真上に、「ランキロン」の中毒作用で患者が急死したとする見出しが目に入り、狼狽する。編集局長の森野義三は広告部がタッチするのは編集権の侵害だと憤るが、東京の広告代理店・弘進社副課長の中田から怒りの電話がかかり、弘進社がQ新聞の出稿量を激減させ新聞の広告欄に巨大な空白が生じると植木はあせる。「ランキロン」の中毒作用記事は誤報と判明するが、中田はQ新聞の取次を全面的に取りやめるかもしれないと言い、植木は専務の小林と相談し、弘進社の課長の名倉忠一に直接会って頼み込むしかないと考える。
ようやく名倉がQ新聞へ出向くという話が入り、Q新聞は社を挙げて名倉忠一の接待準備に奔走する。到着した名倉は機嫌のいい様子を見せ、その晩の宴会でも相変らず笑いを湛えていた。招待者側の意のままになってゆく名倉の行動を見て、もはやその意志は決定的と、植木も専務も安堵するが、帰京まぎわ、名倉は専務の耳に口を寄せる。