片上大輔
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少年時代
小学校6年の秋に奨励会に入会。
村山聖、山崎隆之、糸谷哲郎などの棋士を生んだ広島将棋センター出身。師匠も彼らと同じ森信雄である。1学年上の山崎とは少年時代からしのぎを削り、1万局は指したという。
東大生棋士
同大学3年在学中の2004年2月に奨励会三段リーグで最終戦を待たずして四段昇段(プロ入り)を決める。最終成績は16勝2敗で歴代1位タイの記録(達成当時)であった。将棋界初の東大生プロ棋士ということで、多くのマスメディアに取り上げられた。ただし、プロ将棋界の中には「『奨励会員が東大に合格(していた)』と表現するのが適切」とする向きもあったようである。
プロ入り後、初参加のC級2組順位戦(2004年度 = 第63期)で、すぐに8勝2敗の好成績を収めるが、次点(4位)で昇級を逃す。
なお、2009年4月に渡辺弥生が史上初の東大卒女流棋士として、2020年4月には谷合廣紀が東大卒・東大大学院在籍の棋士としてプロデビューしている。
東大卒業後
東大を卒業した2005年、第18期竜王ランキング戦6組で優勝。さらに竜王挑戦権を争う本戦トーナメントでも2勝を上げ、準々決勝に進出。
2006年度、第19期竜王ランキング戦5組で、敗者復活から3位となって4組昇級を決め、五段に昇段。これは、竜王戦の規定による昇段の条件(の一つ)が「竜王ランキング戦連続2回優勝」から「竜王ランキング戦連続2回昇級」へ緩和された後に適用された初のケースである(山崎隆之、大平武洋も同じ条件で同じ期に昇段している)。同年度、第65期C級2組順位戦で9勝1敗で1位の成績を収め、C級1組へ昇級。
2007年度、第20期竜王ランキング戦4組で優勝し、3期連続昇級。本戦トーナメントでも1勝を上げる。
2008年度、第16期銀河戦で決勝トーナメントに進出。郷田真隆九段から1勝を上げベスト8。
2009年度、第22期竜王ランキング戦3組で優勝(準決勝で勝った時点で2組昇級が決まり、六段昇段[4])。自身3度目となる本戦でも、1戦目で森下卓九段(2組2位)から1勝を上げる(2戦目で1組2位の羽生善治名人(四冠)に敗れる)。しかし、翌年度の第23期では2組1回戦で敗退し、昇級者決定戦も1回戦敗退したため、プロ7年目にして竜王戦・順位戦を通して初の降級が決まる。
アマ日本選手権に特別参加
2006年2月26日、社会人と大学生の日本一チームが対戦する7人制団体戦「第18回アマチュア将棋団体日本選手権」に東大チーム大将として特別参加。NECチーム大将として同じく特別参加した瀬川晶司四段(同日時点でNECの関連会社・ワイイーシーソリューションズに勤務、同年3月末退職)に勝ち、チームも5-2で勝利した。この大会に参加した棋士は片上と瀬川が初めて。
片上の特別参加は、東大将棋部(在学中の片上が毎日のように顔を出していた)から「片上を出場させたい」と依頼を受けた主催者のリコーが、瀬川やNEC、片上と瀬川が所属する日本将棋連盟から了解を得て実現した[6]。しかし、当時まだ会社に在籍していた瀬川と違い、片上は前年9月に東大を卒業し「東大OB」になっていたため、特別参加を疑問視する記事を書いた観戦記者もいた。
棋風
人物
- 趣味は、当時三段だった大学時代に始めたバックギャモンである。当時の仲間だった望月正行、鈴木琢光、木原直哉、矢沢亜希子のうち、望月・鈴木・矢沢はのちにバックギャモンの世界選手権(モナコ公国・モンテカルロ)で優勝し、木原はのちにポーカー世界選手権である「ポット・リミット・オマハ/シックス・ハンデッド」という種目で優勝した[7]。2005年には国内大会第12回王位戦で優勝し初タイトルを獲得。なお、後に妻となる北尾まどかもこの年のビギナーズ王位戦で優勝した。2011年には日本代表の一員としてワールドカップに出場し、団体戦優勝を果たした[8]。2018年には再び王位戦のタイトルを獲得[9]。2021年2月にはバックギャモンの世界団体であるBMAB (The Backgammon Masters Awarding Body) が認定するグランドマスターの称号を獲得した[10]。日本人としては8人目[10]。
- 東京大学前期教養課程でのクラスは文科一・二類8組(中国語選択)であった。
- 2013年6月、日本将棋連盟の理事(電子メディア部・事業本部)に就任[11]。2016年に将棋ソフト不正使用疑惑が発生し、理事として混乱に対する責任を問われ、2017年2月27日に行われた臨時総会で青野照市、中川大輔と共に解任された[12][13]。
- 2014年4月より、首都大学東京において、法学系特別講義「将棋で学ぶ法的思考・文書作成」の非常勤講師を務める[14]。
- 女流棋士の北尾まどかと2006年に結婚したが[15]、離婚し(片上自身が、2016年に公表[16]。離婚時期は二年ほど前の2014年[17]。)、2016年に一般女性と再婚した[16]。
- 2023年6月から日本将棋連盟の常務理事に。
弟子
女流棋士となった弟子
| 名前 | 女流プロ入り日 | 段位、主な活躍 |
|---|---|---|
| カロリーナ・フォルタン | 2017年2月20日 | 女流二段 |
(2026年4月1日現在)
- フォルタンは北尾に紹介され、彼女が修行中は自宅に住まわせていた。
昇段履歴
主な成績
在籍クラス
| 開始 年度 |
順位戦 出典[21] |
竜王戦 出典[22] | ||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | 決勝 T |
|||||
| 1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||||
| 2004 | 63 | C246 | 8-2 | 18 | 6組 | 2-1 | 6-0 | |||||||||||
| 2005 | 64 | C204 | 6-4 | 19 | 5組 | -- | 4-1 | |||||||||||
| 2006 | 65 | C212 | 9-1 | 20 | 4組 | 1-1 | 5-0 | |||||||||||
| 2007 | 66 | C125 | 6-4 | 21 | 3組 | -- | 1-2 | |||||||||||
| 2008 | 67 | C109 | 5-5 | 22 | 3組 | 1-1 | 4-0 | |||||||||||
| 2009 | 68 | C115 | 8-2 | 23 | 2組 | -- | 0-2 | |||||||||||
| 2010 | 69 | C104 | 5-5 | 24 | 3組 | -- | 1-2 | |||||||||||
| 2011 | 70 | C113 | 4-6 | 25 | 3組 | -- | 3-1 | |||||||||||
| 2012 | 71 | C125 | 8-2 | 26 | 2組 | -- | 0-2 | |||||||||||
| 2013 | 72 | C106 | 6-4 | 27 | 3組 | -- | 0-2 | |||||||||||
| 2014 | 73 | C110 | 6-4 | 28 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
| 2015 | 74 | C110 | 5-5 | 29 | 4組 | -- | 0-3 | |||||||||||
| 2016 | 75 | C117 | 6-4 | 30 | 5組 | -- | 2-2 | |||||||||||
| 2017 | 76 | C109 | 4-6 | 31 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
| 2018 | 77 | C123 | 5-5 | 32 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
| 2019 | 78 | C119 | 6-4 | 33 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
| 2020 | 79 | C110 | 6-4 | 34 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
| 2021 | 80 | C110 | 7-3 | 35 | 5組 | -- | 3-2 | |||||||||||
| 2022 | 81 | C104 | 5-5 | 36 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
| 2023 | 82 | C110 | 5-5 | 37 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
| 2024 | 83 | C116 | 38 | 5組 | -- | |||||||||||||
| 順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 | ||||||||||||||||||
年度別成績
| 年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2004 | 32 | 24 | 8 | 0.7500 | [23] |
| 2005 | 43 | 28 | 15 | 0.6512 | [24] |
| 2006 | 44 | 31 | 13 | 0.7045 | [25] |
| 2007 | 41 | 29 | 12 | 0.7073 | [26] |
| 2008 | 39 | 19 | 20 | 0.4872 | [27] |
| 2009 | 28 | 16 | 12 | 0.5714 | [28] |
| 2010 | 29 | 16 | 13 | 0.5517 | [29] |
| 2004-2010 (小計) |
256 | 163 | 93 | ||
| 年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
| 2011 | 31 | 14 | 17 | 0.4516 | [30] |
| 2012 | 30 | 20 | 10 | 0.6667 | [31] |
| 2013 | 32 | 17 | 15 | 0.5313 | [32] |
| 2014 | 24 | 10 | 14 | 0.4167 | [33] |
| 2015 | 32 | 15 | 17 | 0.4688 | [34] |
| 2016 | 35 | 20 | 15 | 0.5714 | [35] |
| 2017 | 33 | 16 | 17 | 0.4848 | [36] |
| 2018 | 36 | 20 | 16 | 0.5556 | [37] |
| 2019 | 29 | 16 | 13 | 0.5517 | [38] |
| 2020 | 34 | 16 | 18 | 0.4706 | [39] |
| 2011-2020 (小計) |
316 | 164 | 152 | ||
| 年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
| 2021 | 31 | 15 | 16 | 0.4839 | [40] |
| 2022 | 36 | 20 | 16 | 0.5556 | [41] |
| 2023 | 30 | 13 | 17 | 0.4333 | [42] |
| 2021-2023 (小計) |
97 | 48 | 49 | ||
| 通算 | 669 | 375 | 294 | 0.5605 | [43] |
| 2023年度まで | |||||
著書
- 3手1組プロの技(2007年8月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 978-4-8399-2551-2)
- 将棋 平成新手白書 居飛車編(2019年2月、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-6853-3)
- 令和新手白書 振り飛車編(2019年12月、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-7137-3)
- 令和 新手白書【角交換振り飛車・相振り飛車編】(2021年2月、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-7428-2)