ニュメレール
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ニュメレール(Numeraire)とは、価値を計算するための基準となる財のこと[1][2][3]。数理経済学では、あらゆる他の取引可能財の相対価格をその価格で表すための、取引可能な経済的対象のことである。貨幣経済においては、貨幣の機能の一つがニュメレールとして振る舞うことであり、すなわち会計単位として機能し、さまざまな財やサービスの価値を比較するための共通の物差しを提供する。
貨幣であれ、消費財であれ、基準財を用いることは、一般均衡理論のように相対価格のみが重要となる場面で価値比較を容易にする。分析において特定の財を基準財と呼ぶとき、他のすべての価格はその財の価格で正規化されると言う。例えば、財 g の1単位がニュメレール1単位の2倍の市場価値を持つなら、g の(相対)価格は2である。基準財1単位の価値をそれ自身1単位に対して測れば常に1なので、ニュメレールの価格は常に1である。
取引証券が存在する金融市場では、ニュメレールを用いて資産の価格付けを行うことができる[4]。例えば、 を時刻 0 にマネー・マーケットへ投資した $1 の、時刻 t における価格とする。資産価格付けの基本定理によれば、ニュメレール(この場合は M)で割った全ての資産 は、あるリスク中立確率測度 に関してマルチンゲールである。すなわち、
いま、 を別の厳密に正の取引資産(したがってマネー・マーケットをニュメレールにとったときマルチンゲール)とする。このとき、ラドン=ニコディム微分により新しい確率測度 を
で定義できる。すると、新しいニュメレール によって価格付けしたとき、 は の下でマルチンゲールであることが示せる。
この手法は、LIBOR やスワップ市場モデル、さらにはコモディティ市場で多くの重要な応用をもつ。ファルシド・ジャムシディアン(1989年)は、金利のヴァシチェク・モデルの文脈で債券オプション価格を計算するためにこの手法を初めて用いた。エリエット・ジェマン、ニコル・エル=カルーイ、ジャン=シャルル・ロシェ(1995年)は、ニュメレール変更の一般的な形式的枠組みを導入した。ツールキットとしては、例えばダミアーノ・ブリーゴとファビオ・メルクーリオ(2001年)を参照のこと [5]。