Wikiwand AI

宗谷本線

北海道旅客鉄道の鉄道路線 From Wikipedia, the free encyclopedia

宗谷本線(そうやほんせん)は、北海道旭川市旭川駅から名寄市名寄駅を経て、稚内市稚内駅を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の鉄道路線地方交通線)である。

概要 宗谷本線, 基本情報 ...
宗谷本線
宗谷本線の特急「宗谷」(2018年5月 幌延駅)
宗谷本線の特急宗谷
(2018年5月 幌延駅
基本情報
日本の旗 日本
所在地 北海道
種類 普通鉄道在来線地方交通線
起点 旭川駅
終点 稚内駅
駅数 一般駅:2駅
旅客駅:33駅
貨物駅:1駅
信号場:2か所
電報略号 ソヤホセ[1]
路線記号 A(旭川駅 - 新旭川駅間)
W永山駅 - 稚内駅間)
路線記号については当該記事も参照
開業 1898年8月12日(天塩線→宗谷線)
1922年11月8日(天塩線→天塩南線)
1924年6月25日(天塩北線)
全通 1926年9月25日
民営化 1987年4月1日
所有者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
運営者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
(全線 第一種鉄道事業者
日本貨物鉄道(JR貨物)
(旭川 - 名寄間 第二種鉄道事業者
車両基地 旭川運転所
使用車両 使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離 259.4 km
軌間 1,067 mm狭軌
線路数 複線(旭川駅 - 北旭川駅間)
単線(北旭川駅 - 稚内駅間)
電化区間 旭川駅 - 北旭川駅間[注 1]
上記以外非電化
電化方式 交流20,000 V・50 Hz 架空電車線方式
最大勾配 20 
最小曲線半径 200 m
閉塞方式 自動閉塞式CTCPRC付帯)
(旭川駅 - 北旭川駅間)
自動閉塞式(特殊)(CTC・PRC付帯)
(北旭川駅 - 永山駅間)
特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
(永山駅 - 南稚内駅間)
特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
(南稚内駅 - 稚内駅間)
保安装置 ATS-DN(旭川駅 - 名寄駅間)
ATS-SN
最高速度 120 km/h(旭川駅 - 名寄駅間)
95 km/h(名寄駅 - 稚内駅間[2]
路線図
テンプレートを表示
閉じる
さらに見る 停車場・施設・接続路線 ...
閉じる

旭川市から上川管内北部・宗谷管内道北地方を縦断し、北方領土を除く日本最北端の自治体である稚内市に至る全長259.4 km の鉄道であり、地方交通線としては日本最長である。ほぼ全区間で起終点を同じくする国道40号と並行し、士別市から幌延町にかけては、天塩川の右岸を走行する。

概要

かつて、日本領土であった樺太(南樺太)への連絡鉄道として建設が進められ、終点の稚内から対岸の大泊コルサコフ)への鉄道連絡船稚泊航路)が第二次世界大戦終戦時の1945年(昭和20年)8月まで就航していた。

また、沿線を流れる天塩川の舟運に代わり、各支線と合わせ道北各地で産出される木材や石炭等の鉱物、水産物を輸送する重要な貨物輸送路線としての使命も担った。このため、第二次世界大戦末期にあって、全国的に列車本数の削減が度々行われるなか、北海道内で最後まで急行列車が運行されていた。

ソ連対日参戦による南樺太占領で戦後は樺太連絡の使命を失い、合理化のため早くも1955年(昭和30年)から多くの普通列車気動車化された。優等列車1958年(昭和33年)10月1日に復活し[8]、以降一貫して運転されている。

2000年(平成12年)3月11日には旭川駅 - 名寄駅間の高速化改良工事が完成したことから定期特急列車の運転が開始された[報道 4][新聞 1][新聞 2]。一方で、1995年(平成7年)9月4日までに天北線深名線など接続する支線は全て廃線となった。

2010年(平成22年)代後半から沿線ではヒグマエゾシカの出没が頻発。線路内に侵入した野生動物の発見、衝突により列車の遅れや運休が増加傾向にある。特に、2018年(平成30年)から2023年(令和5年)までのシカとの衝突件数は、年平均で464件に達し、単純計算で1日1件以上の衝突が発生する状況となっている[9]

歴史

1898年(明治31年)8月12日の旭川駅 - 永山駅間が北海道官設鉄道によって開業したのに始まり、1903年(明治36年)9月3日には名寄駅に到達[10]。以降は官設鉄道によって建設が進められ、1922年(大正11年)11月1日に稚内駅(現在の南稚内駅)まで、浜頓別駅経由のルートで到達した[10][新聞 3]

現在の幌延駅経由のルートは1922年(大正11年)から1926年(大正15年)にかけて天塩線(てしおせん。天塩線〈2代〉→天塩南線・天塩北線→天塩線〈3代〉)[注 2]として建設されたもので、1930年(昭和5年)4月1日に宗谷本線に編入され、浜頓別経由のルートは北見線(後の天北線)として分離された[10][11][12]

しかし、実際には幌延経由の沿線には多くの御料小作人、単独移住民が住んでおり、鉄道の必要性が高かったが、天塩川沿線という地理的条件から、難工事の箇所が多かった。浜頓別経由の沿線には、代議士や大会社の未開の牧場が多く、移住民が少ない一方、原野が広く拓殖計画の上でも有利であった[13]

建設計画策定にあたり、憲政会政友会の争いがあり、浜頓別経由の沿線に広大な土地を持っていた佐々友房安達謙蔵(憲政会代議士)らが主導して(我田引鉄)、浜頓別経由ルートが先に着工されることになった[13]

北海道官設鉄道天塩線

官設鉄道移管から天塩線編入まで

旭川駅 - 音威子府駅 - 浜頓別駅 - 稚内港駅間

官営鉄道北海道線 1905年の地図

音威子府駅 - 幌延駅 - 稚内駅(初代)間

天塩線(3代)編入以後

以下、一部仮乗降場の名称について、出典では「乗降場」などとなっている場合があるが、表記は「仮乗降場」に統一する。

民営化以後

  • 1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化に伴い以下のように変更。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:旭川駅・新旭川駅の読みをそれぞれ「あさひわ」「しんあさひわ」に変更[42]
  • 1990年平成2年)
  • 1991年(平成3年)
  • 1992年(平成4年)10月1日:旭川駅 - 名寄駅間の普通・快速列車をワンマン運転化[21][44]
  • 1993年(平成5年)
    • 3月18日:名寄駅 - 稚内駅間の普通列車をワンマン運転化。これに伴い、急行を除く全ての列車がワンマン運転となる[21]
    • 11月:旭川駅 - 稚内駅間でATS-SN使用開始[新聞 6]
  • 1996年(平成8年)9月1日:北旭川駅 - 名寄駅間の貨物列車が前日限りで廃止[45]。JR貨物の名寄駅は自動車代行駅となり、同区間にトラック便が運行開始。
  • 1997年(平成9年)
    • 9月:新旭川駅における貨物列車の発着が終了。
    • 10月22日:旭川駅 - 名寄駅間の高速化工事を起工する[46][47]
  • 1998年(平成10年)2月25日:旭川駅 - 永山駅間に自動進路制御装置 (PRC) 導入[新聞 7][47][48]
  • 1999年(平成11年)7月:多寄駅が旭川寄りに約20 m移転(改キロなし)。
  • 2000年(平成12年)3月11日:旭川駅 - 名寄駅間の高速化工事が完成し、同区間の運転最高速度を95 km/hから130 km/hに向上。本路線の急行列車を運行終了・再編し、当路線初の定期特急列車スーパー宗谷」「サロベツ」「利尻」の運行を開始[報道 4][新聞 1][新聞 2]
  • 2001年(平成13年)7月1日:下中川駅、上雄信内駅、芦川駅を廃止[8][25][16][19][20][21]
  • 2002年(平成14年)11月4日:新旭川駅 - 北旭川駅間を複線化[21]
  • 2003年(平成15年)
    • 5月10日:旭川駅 - 北旭川駅間を電化(交流20,000 V・50 Hz)[16][19][20][21](ただし、旭川運転所への回送車両が使用するのみで、営業列車は使用しない)。
    • 9月1日旭川運転所が旭川駅構内から北旭川駅構内へ移転[新聞 8]。これに伴い、旭川駅 - 塩狩駅間のダイヤを修正。乗務員交代のため、北旭川駅に一部の普通列車が運転停車するようになる[報道 5]
  • 2004年(平成16年)3月13日:南稚内駅の運転部門を宗谷北線営業所に統合。
  • 2006年(平成18年)
  • 2007年(平成19年)
  • 2010年(平成22年)
    • 1月31日:稚内駅が棒線駅となり、南稚内駅 - 稚内駅間が1閉塞となる。
    • 10月10日:旭川駅が高架化。
  • 2012年(平成24年)5月28日本輪西駅 - 北旭川駅間の石油輸送列車が廃止。
  • 2014年(平成26年)3月15日:「スーパー宗谷」の減速に伴い、旭川駅 - 名寄駅間の最高速度が120 km/hに変更[報道 9]
  • 2016年(平成28年)
    • 3月26日:ダイヤ改正で名寄駅 - 稚内駅間の普通列車を各区間で上下各5本から3 - 4本に削減[報道 10][新聞 9][新聞 10]
    • 6月:省令による整備期限である同月末までに旭川駅 - 名寄駅間にATS-DNを整備完了[報道 11]
    • 9月6日台風13号接近に伴う降雨災害の影響で、抜海駅 - 南稚内駅間の路盤が流失し[新聞 11]、音威子府駅 - 稚内駅間が不通となる[報道 12][新聞 12]。特急「スーパー宗谷」「サロベツ」についても全区間運休[新聞 12][新聞 11]
    • 9月9日:「スーパー宗谷」1往復(1・4号)が札幌駅 - 幌延駅間で運転再開。幌延駅 - 稚内駅間は代行バスで連絡。「スーパー宗谷」1往復(2・3号)と「サロベツ」、普通列車の音威子府駅 - 稚内駅間は引き続き運休[報道 12]
    • 9月13日:全区間復旧し、午後から運転再開[新聞 13][新聞 11]。14日から所定ダイヤでの運転[新聞 14]
    • 11月18日:JR北海道から『当社単独では維持することが困難な線区について』発表[報道 13]。名寄駅 - 稚内駅間が「輸送密度200人以上2000人未満の線区」、旭川駅 - 名寄駅間が「北海道高速鉄道開発株式会社関連線区」とされる。
  • 2017年(平成29年)
    • 3月4日ダイヤ改正で特急列車の運転系統を「宗谷」(札幌駅 - 稚内駅間)1往復、「サロベツ」(旭川駅 - 稚内駅間)2往復(1 - 4号)に再編。いずれもキハ261系を充当[報道 14]
    • 3月30日:宗谷本線活性化推進協議会が名寄市内で道との意見交換会を開催。JR北海道との協議開始を決定[新聞 15]
    • 4月1日:同日付で宗谷北線運輸営業所を廃止[49]
    • 4月14日:宗谷本線活性化推進協議会がJRを交えた実務者協議を開始[新聞 16]。JRの『当社単独では維持することが困難な線区について』発表以来初の協議開始。
  • 2018年(平成30年)
    • 2月10日:北海道総合交通政策検討会議による『北海道の将来を見据えた鉄道網(維持困難線区)のあり方について』公表。名寄駅 - 稚内駅間について「…維持に向けてさらに検討を進めるべきである」とする[報道 15]
    • 10月29日:JR北海道と佐川急便が、稚内駅 - 幌延駅間で幌延町向け荷物の輸送を行う貨客混載事業の実施を発表[報道 16]
      幌延駅に到着した列車から降ろされた荷物(2020年1月)
  • 2019年(平成31年・令和元年)
    • 4月18日:JR北海道と佐川急便による稚内駅 - 幌延駅間の貨客混載事業が開始[報道 17]
    • 7月28日:観光列車「風っこ そうや号」を運転。9月8日までの土日祝日にJR東日本から借り受けた「びゅうコースター風っこ」にJR北海道「北海道の恵み」シリーズ車両を連結した4両編成で、稚内駅 - 音威子府駅間と旭川駅 - 音威子府駅間で運行[報道 18][注 10]
    • 12月3日:JR北海道アクションプラン(宗谷線)[51]に基づきJR北海道から宗谷本線活性化協議会に対して、同社が維持できないとする「過去5年間、乗車人員が1日平均3名以下の無人駅」について廃止か自治体での維持管理を行うかの方針を2020年3月までにJR北海道への報告をする要請が出される[52]
  • 2020年(令和2年)
    • 3月27日:宗谷本線活性化推進協議会が、2021年春に10駅(南比布駅、北比布駅、下士別駅、北星駅、南美深駅、紋穂内駅、豊清水駅、安牛駅、上幌延駅、徳満駅)の廃止を容認した。なお、剣淵町に所在する東六線駅と北剣淵駅の2駅は、「廃止の方向で検討しており、町民説明会で決定する」とした[新聞 17]
    • 9月28日 - 10月2日:線路の集中的な修繕工事の実施に伴い、南稚内駅 - 稚内駅間の一部列車が運休[報道 19][注 11]
    • 10月5日 - 10月9日:幌延駅 - 豊富駅間における線路の集中的な修繕工事の実施に伴い、幌延駅 - 稚内駅間の一部列車が運休[報道 19][注 12]
  • 2021年(令和3年)3月13日:同日のダイヤ改正で以下のように変更[報道 20][報道 21][新聞 18]
    • 豊清水駅を前日限りで旅客営業を終了し、豊清水信号場とする。
    • 南比布、北比布、東六線、北剣淵、下士別、北星、南美深、紋穂内、安牛、上幌延、徳満の各駅を廃止。
  • 2022年(令和4年)3月12日:同日のダイヤ改正で以下のように変更[報道 22][報道 23]
    • 東風連駅を稚内方に1.5 km移設し、名寄高校駅に改称。
    • 歌内駅を廃止。
  • 2024年(令和6年)3月16日:初野、恩根内の各駅を廃止[報道 24][新聞 19]
  • 2025年(令和7年)
    • 3月15日:同日のダイヤ改正で以下のように変更[報道 25][新聞 20]
      • 雄信内駅を前日限りで旅客営業を終了し、雄信内信号場とする。
      • 南幌延、抜海の各駅を廃止。
    • 4月8日:天塩中川駅 - 問寒別駅間で、音威子府発稚内行き普通列車が脱線。現場付近では、線路の盛り土が長さ46mにわたって崩れていた[53][54]。当面の間、音威子府駅 - 稚内駅間で運転を見合わせるほか、特急については旭川駅 - 稚内駅間の運転を休止し、代行バスを運行する[55]
    • 4月26日:復旧工事が完了し、音威子府駅- 稚内駅間の運転が再開。特急列車も全区間で運転が再開される[56][57]
    • 8月17日 - 8月22日:糠南駅 - 豊富駅間で大雨による線路の路盤流出、道床流出、倒木等が発生し、音威子府駅 - 稚内駅間で不通となる(旭川駅-稚内駅間で代行バスを運行)[58][59][60]
    • 8月26日:糠南駅 - 兜沼駅間で大雨による線路の路盤流出、道床流出等が発生し、音威子府駅 - 稚内駅間で不通となる(旭川駅-稚内駅間で代行バスを運行)[61]
    • 8月30日:音威子府駅 - 幌延駅間の運転が再開[61]
    • 9月9日:幌延駅 - 稚内駅間の運転が夜に再開[62]
  • 2026年(令和8年)3月14日:同日のダイヤ改正で特急「宗谷」「サロベツ」が全車指定席となる[63][64][65][66]

存廃議論

2016年(平成28年)11月18日、JR北海道は厳しい経営状況を理由に「自社単独で維持することが困難な路線」として、10路線13区間を発表し、宗谷本線は以下のように分類された[報道 13]。なお、この発表の直前から「JR北海道が単独では維持困難な線区」に挙げられる可能性が高いとされ、沿線自治体による陳情などが行われている[新聞 21]

2018年(平成30年)4月、JR北海道は一定の利用以下の踏切の存廃について、廃止提案の前に地元自治体と協議する方針を示した。同月27日、宗谷本線の沿線と周辺26市町村などでつくる「宗谷本線活性化推進協議会」の事務担当者らによる幹事会において、廃止する場合もしくは維持する場合の管理のあり方について、JR北海道と協議することで合意した[新聞 22]

宗谷本線活性化推進協議会は名寄市が事務局で、駅カードの配布など利用促進にも取り組んでいる[新聞 23]

旭川駅 - 名寄駅間

高速化工事により北海道高速鉄道開発が施設を保有するこの区間については、「北海道高速鉄道開発株式会社関連線区」として当面維持する一方で、単独では持続的な維持ができないとして、「北海道高速鉄道開発との関連で検討」とされている[報道 13]

名寄駅 - 稚内駅間

「自社単独では老朽土木構造物の更新を含め「安全な鉄道サービス」を持続的に維持するための費用を確保できない線区」とされた[報道 13]。維持する場合、運営赤字のほか、今後20年間の土木構造物の大規模修繕・更新に概算で23億円、車両21両の更新に58億円がかかるとされた[報道 3][報道 26]

この指定を受けた線区については各種施策による経費節減や値上げなどの負担、利用促進、上下分離方式などをポイントに、地域と協議の上で輸送サービスを鉄道として維持するか検討を進めていくとし[報道 27][報道 2][報道 28]、沿線などの市町村で構成する宗谷本線活性化推進協議会は、2017年(平成29年)3月30日の道との意見交換会で、名寄駅 - 稚内駅間の存続に向けて、対象路線では初めてJR北海道との協議の開始を決定し[新聞 15]、同年4月14日から協議に入った[新聞 16]

なお、北海道による総合交通政策検討会議が2018年(平成30年)2月10日に発表した『北海道の将来を見据えた鉄道網(維持困難線区)のあり方について』では、「交通政策を推進する上での基本的な考え方」として、本区間は「ロシア極東地域と本道との交流拡大の可能性も見据え、国土を形成し、本道の骨格を構成する幹線交通ネットワーク として、負担等に係るこれまでの地域での協議を踏まえ、維持に向けてさらに検討を進めるべきである」としている[報道 15]

2019年(平成31年)12月12日北海道新聞が、2013年(平成25年) - 2018年(平成30年)の1日当たりの平均乗車人員が3人以下の29駅を対象に、「2020年(令和2年)3月までに維持か廃止するか」の判断を各自治体に求めていることを報道した[新聞 24]。その後、2020年(令和2年)3月27日に宗谷本線活性化推進協議会は、2021年(令和3年)春に13駅(南比布駅北比布駅東六線駅北剣淵駅下士別駅北星駅南美深駅紋穂内駅恩根内駅豊清水駅安牛駅上幌延駅抜海駅)の廃止を容認した。なお、剣淵町に所在する東六線駅北剣淵駅の2駅は、「廃止の方向で検討しており、町民説明会で決定する」としていた[新聞 17]2020年(令和2年)7月22日、廃止の方向で検討していた恩根内駅は、同年6月の恩根内自治会による存続要望を受けて、美深町議会全員協議会が駅存続を了承し、美深町として存続の方針を決めた[新聞 25][新聞 26]

2020年(令和2年)12月9日、JR北海道が翌2021年(令和3年)春のダイヤ改正に合わせて、利用客が少ない36駅に対し、廃止や地元自治体による維持管理に移行する駅を発表[報道 20]。このうち宗谷本線では、12駅(南比布駅・北比布駅・東六線駅・北剣淵駅・下士別駅・北星駅・南美深駅・紋穂内駅・豊清水駅・安牛駅・上幌延駅・徳満駅)が廃止、17駅(蘭留駅塩狩駅日進駅智北駅・恩根内駅・天塩川温泉駅咲来駅筬島駅佐久駅歌内駅問寒別駅糠南駅雄信内駅南幌延駅下沼駅兜沼駅抜海駅)が地元自治体による維持管理に移行となった[報道 20]。同月18日には、前述の12駅を2021年(令和3年)3月13日に廃止する予定であることを発表した[報道 21]

運行形態

新旭川駅で分岐する石北本線に同駅を始終着とする列車はなく、全列車が宗谷本線経由で旭川駅に乗り入れている。

広域輸送

特急列車札幌駅 - 稚内駅間を直通する「宗谷」1往復、旭川駅 - 稚内駅間を運行する「サロベツ」2往復が設定されている[報道 14][67]。「サロベツ」については、札幌駅 - 旭川駅間の特急「ライラック」と対面乗り換えで接続するダイヤを組んでいる[報道 14][注 13]。2026年(令和8年)3月14日ダイヤ改正から全車指定席となっている[63][64]

2022年(令和4年)以降、毎年5月 - 6月に臨時急行列車として、旭川駅 - 稚内駅間で「花たび そうや」が運転されている[報道 29][68]。なお、同急行列車は2020年(令和2年)5月 - 6月[報道 30]2021年(令和3年)5月 - 6月[報道 31]にも運行される予定であったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、取りやめとなった[報道 32][報道 33]

地域輸送

名寄駅を境に南北に運転系統が分かれている[67]。朝の1往復のみ名寄駅を跨いで直通運転するが、直通列車も名寄駅で列車番号が変わる。

快速・普通列車は全てワンマン運転であり、ドアは基本的に前側のみ(前乗り前降り)開く。有人駅のうち、終日改札を行う旭川駅は最終列車まで全てのドアが開き、終日改札を実施しないその他の有人駅はみどりの窓口の営業時間内のみ全てのドアが開く。

旭川駅 - 名寄駅間

快速「なよろ」(2021年5月4日 塩狩駅-蘭留駅間)

特急を補完する列車として主要駅のみに停車する、快速「なよろ」が旭川駅 - 名寄駅間で1日4往復(うち朝の上り2号は名寄駅以北を普通列車として音威子府駅から直通)運転される。

普通列車は石北本線関連の列車を除くと、旭川駅 - 名寄駅間で1日8往復(うち朝の下り1本は稚内駅へ直通)、旭川駅 - 比布駅間3往復、旭川駅 - 永山駅間2往復[注 14]が運行されている。北永山駅瑞穂駅は一部の列車が通過する。なお、2021年(令和3年)3月13日改正時より、旭川駅 - 比布駅間の区間列車上下各1本が減便された[報道 20][報道 21]

2021年(令和3年)3月のダイヤ改正以後は主にH100形が用いられているが、名寄駅以北との直通列車1往復及び快速「なよろ4号」の計1.5往復は名寄駅以北で運用される車両の送り込みのためキハ54形気動車が用いられている。通常は1-2両編成で運転されるが、名寄駅発旭川駅行きの上り一番列車については3両編成で運転される。

名寄駅 - 稚内駅

抜海駅で交換する普通列車(2009年9月18日)

この区間の普通列車は、2016年(平成28年)3月26日改正による減便により現在の本数となった。なお、音威子府駅や幌延駅での停車中に列車番号が変わる列車が存在するが、本節では1本の列車として扱う。

運転本数は、名寄駅 - 稚内駅間を通しで運転する列車が1日に下り2本・上り3本(うち朝の下り1本は旭川駅から普通列車として直通)、名寄駅 - 音威子府駅間の列車が2往復(うち朝の上り1本は名寄駅から快速「なよろ2号」として旭川駅まで直通)、音威子府駅 - 稚内駅間の列車が早朝に下り1本、稚内駅 - 幌延駅間の列車が夜間に上り1本である。区間別にみると、名寄駅 - 音威子府駅間が下り4本・上り5本、音威子府駅 - 幌延駅間が上下各3本、幌延駅 - 稚内駅間が下り3本、上り4本となっている。 また、夜間の上り音威子府発名寄行き1本は天塩川温泉駅智北駅を通過する[注 15]

車両は原則全てキハ54形で、終日1両編成で運転される。

貨物輸送

旭川駅 - 北旭川駅間において函館本線および室蘭本線に直通する形で高速貨物列車および専用貨物列車が運行されている。いずれもDF200形ディーゼル機関車が牽引する。高速貨物列車のうち上り2本は札幌貨物ターミナル駅を経由せず、岩見沢駅 - 苫小牧駅間を室蘭本線経由で運行する本州への直行便で、残りは函館本線札幌貨物ターミナル駅行き。さらに毎年秋から翌年春にかけては石北本線の臨時貨物列車(通称「タマネギ列車」)が北旭川駅(貨物駅) - 北見駅間に3往復[報道 13]運行されている。この列車については、運行経路上、新旭川駅と遠軽駅で方向転換するため、先頭と最後尾に機関車が連結されるプッシュプル運転が行われている。

ラッセル車

稼動中のDE15形(下沼駅 - 豊富駅間 2008年1月3日)

2017年(平成29年)時点では日本で唯一の定期排雪列車が、旭川運転所DE15形を用いて12月下旬から翌年3月中旬に1往復運転されている[70]ラッセル車のダイヤはJR北海道などからは公開されていない。ラッセルヘッドは基本的に単線型が使われるが、ごくまれに複線型が使われることもある。

使用車両

現在の使用車両

旅客列車は全て気動車で運転されている。このほか、旭川運転所関連の回送列車が旭川駅 - 北旭川駅間を走行する。

過去の使用車両

データ

路線データ

全区間がJR北海道旭川支社の管轄である。

輸送密度

区間ごとの輸送密度は以下の通り。

名寄駅 - 稚内駅間は、国鉄における特定地方交通線指定が行われた1980年度時点で、区間単体では指定目安となる輸送密度4,000人を大きく下回っていた[注 19]2018年度実績では、JR北海道が設定した区間で下から6番目、道内における特急列車運転区間としては最低の輸送密度であり、定期特急列車の運転がない、根室本線滝川駅 - 富良野駅間、釧路駅 - 根室駅間や釧網本線を下回っている[報道 34]

さらに見る 年度, 輸送密度 (人/日) ...
年度 輸送密度
(人/日)
備考・年度中の出来事 出典
旭川駅 -
名寄駅間
名寄駅 -
稚内駅間
1975年(昭和50年)度   1,878   [報道 3]
1980年(昭和55年)度   1,384  
1984年(昭和59年)度 2,994 800 [新聞 27]
1985年(昭和60年)度   792   [報道 3]
1987年(昭和62年)度   751 JR北海道発足。
1988年(昭和63年)度   723  
1989年(平成元年)度   776 5月1日に天北線廃止。急行列車の経由を変更。
1990年(平成02年)度   814  
1991年(平成03年)度   807 11月13日に宗谷北線運輸営業所が発足。
1992年(平成04年)度   780  
1993年(平成05年)度   781  
1994年(平成06年)度   802  
1995年(平成07年)度   754  
1996年(平成08年)度   733  
1997年(平成09年)度   702  
1998年(平成10年)度   727  
1999年(平成11年)度   684  
2000年(平成12年)度   764 3月11日に名寄駅以南高速化工事竣工・特急列車運転開始。
2001年(平成13年)度   723  
2002年(平成14年)度   702  
2003年(平成15年)度   653  
2004年(平成16年)度   667  
2005年(平成17年)度   640  
2006年(平成18年)度   556  
2007年(平成19年)度   542  
2008年(平成20年)度   527  
2009年(平成21年)度   506  
2010年(平成22年)度   501  
2011年(平成13年)度   477  
2012年(平成24年)度   483  
2013年(平成25年)度   419  
2014年(平成26年)度 1,512 405   [報道 3][報道 35]
2015年(平成27年)度 1,571 403   [報道 3][報道 36]
2016年(平成28年)度 1,456 364 台風10号による影響を除くため、9 - 12月を除いた数値。 [報道 3][報道 37]
1,477 362 9 - 12月を含む数値。
2017年(平成29年)度 1,452 352 同年度分より集計方法見直し[注 20] [報道 38]
2018年(平成30年)度 1,393 335   [報道 34]
2019年(令和元年)度 1,336 316   [報道 39]
2020年(令和02年)度 827 165 COVID-19の影響により、前年度比大幅減少 [報道 40]
2021年(令和03年)度 845 174   [報道 41]
2022年(令和04年)度 972 209   [報道 42]
2023年(令和05年)度 1,120 252   [報道 43]
閉じる

収支・営業係数

区間ごとの収支(営業収益、営業費用、営業損益)と営業係数は以下の通り。JR北海道の発表分はいずれも管理費を含めた金額である。▲はマイナス(赤字)を意味する。

さらに見る 年度, 収支(百万円) ...
旭川駅 - 名寄駅間
年度 収支(百万円) 営業
係数
(円)
備考 出典
営業
収益
営業
費用
営業
損益
1970年(昭和45年)度 1,624 3,287 ▲1,663 202   [73]
2014年(平成26年)度 724 2,643 ▲1,919 365   [報道 35]
2015年(平成27年)度 742 2,851 ▲2,109 384   [報道 44]
2016年(平成28年)度 690 2,894 ▲2,204 419   [報道 45]
2017年(平成29年)度 666 2,894 ▲2,831 525 同年度分より集計方法見直し[注 21] [報道 38]
2018年(平成30年)度 632 3,330 ▲2,698 527   [報道 34]
2019年(令和元年)度 634 3,267 ▲2,633 515 通学の利用者増加による運輸収入増加、外注による踏切や駅構内の除雪、橋梁修繕の減少により、前年度比改善 [報道 39]
2020年(令和02年)度 382 3,508 ▲3,126 918 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、前年度比拡大 [報道 40]
2021年(令和03年)度 401 3,649 ▲3,249 911 車両の減価償却費増加に伴う営業費用増加により、前年度比拡大 [報道 41]
2022年(令和04年)度 479 3,663 ▲3,184 765   [報道 42]
2023年(令和05年)度 558 3,922 ▲3,365 703   [報道 43]
閉じる
さらに見る 年度, 収支(百万円) ...
名寄駅 - 稚内駅間
年度 収支(百万円) 営業
係数
(円)
備考 出典
営業
収益
営業
費用
営業
損益
1970年(昭和45年)度 1,284 3,421 ▲2,137 266   [73]
2014年(平成26年)度 487 3,031 ▲2,544 622   [報道 35]
2015年(平成27年)度 490 3,032 ▲2,541 618   [報道 27][報道 44]
2016年(平成28年)度 449 3,121 ▲2,612 696   [報道 45]
2017年(平成29年)度 436 3,169 ▲2,733 640 同年度分より集計方法見直し[注 22] [報道 38]
2018年(平成30年)度 411 3,033 ▲2,622 738 除雪費減少等により、前年度比改善 [報道 34]
2019年(令和元年)度 399 2,905 ▲2,505 727 橋梁修繕の減少等により、前年度比改善 [報道 39]
2020年(令和02年)度 219 2,860 ▲2,641 1,306 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による運輸収入減少に伴う営業収益減少が発生 [報道 40]
2021年(令和03年)度 243 3,018 ▲2,775 1,242 動力費や線路設備修繕の増加に伴う営業費用増加により、前年度比拡大 [報道 41]
2022年(令和04年)度 304 2,981 ▲2,677 980   [報道 42]
2023年(令和05年)度 352 3,175 ▲2,823 903   [報道 43]
閉じる

駅一覧

  • 駅名 … (貨):貨物専用駅、◇・■:貨物取扱駅(貨物専用駅を除く。◇は定期貨物列車の発着なし、■はオフレールステーション
  • 停車駅
    • 普通列車は基本的に全ての旅客駅に停車するが、一部の列車は▽の駅を通過する。
    • 快速=快速「なよろ」… ●:全列車停車、◆・▲:一部の列車が停車(▲:上りの一部のみ)、|:全列車通過
      • 音威子府駅始発列車は、音威子府駅 - 名寄駅間普通列車として運転。
    • 特急「宗谷」「サロベツ」はそれぞれの列車記事を参照。
  • 線路 … ||:複線区間、∨:ここより下は単線、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能)
  • 全駅北海道内に所在。
さらに見る 電化方式, 駅番号 ...
電化方式 駅番号 駅名 営業キロ 快速 接続路線 線路 所在地
駅間 累計
交流電化
[注 1]
A28 旭川駅 - 0.0 北海道旅客鉄道函館本線富良野線 || 上川管内 旭川市
A29 旭川四条駅 1.8 1.8   ||
A30 新旭川駅 1.9 3.7 北海道旅客鉄道:石北本線[* 1] ||
(貨)北旭川駅 2.9 6.6  
非電化 W31 永山駅 2.7 9.3  
W32 北永山駅 2.1 11.4  
W34 比布駅 5.7 17.1   上川郡
比布町
W36 蘭留駅 5.7 22.8  
W37 塩狩駅 5.6 28.4   上川郡 和寒町
W38 和寒駅 7.9 36.3  
W40 剣淵駅 8.9 45.2   剣淵町
W42 士別駅 8.7 53.9   士別市
W44 多寄駅 7.8 61.7  
W45 瑞穂駅 2.8 64.5  
W46 風連駅 3.6 68.1   名寄市
W47 名寄高校駅 6.0 74.1  
W48 名寄駅 2.1 76.2  
W49 日進駅 4.0 80.2  
W51 智恵文駅 11.0 91.2  
W52 智北駅 2.1 93.3  
W54 美深駅 5.0 98.3   中川郡 美深町
(W58) 豊清水信号場 - 117.9  
W59 天塩川温泉駅 23.2 121.5   音威子府村
W60 咲来駅 3.2 124.7  
W61 音威子府駅 4.6 129.3  
W62 筬島駅 6.3 135.6  
W63 佐久駅 18.0 153.6   中川町
W64 天塩中川駅 8.3 161.9  
W66 問寒別駅 13.9 175.8   宗谷管内 天塩郡 幌延町
W67 糠南駅 2.2 178.0  
(W68) 雄信内信号場 - 183.7  
W72 幌延駅 21.4 199.4  
W73 下沼駅 7.8 207.2  
W74 豊富駅 8.7 215.9   豊富町
W76 兜沼駅 15.0 230.9  
W77 勇知駅 5.8 236.7   稚内市
W79 南稚内駅 20.0 256.7  
W80 稚内駅 2.7 259.4  
閉じる
  1. 石北本線の旅客列車は全て旭川駅へ乗り入れる。
  • 北永山駅 - 比布駅間で上川郡当麻町を経由するが、同町内に宗谷本線の駅は存在しない。

廃駅・廃止信号場

括弧内は旭川駅からの営業キロ。(臨)は臨時駅を表す。

かつて旅客駅だった信号場

過去の接続路線

  • 旭川駅:旭川市街軌道(旭川駅前停留場)- 1956年(昭和31年)6月9日廃止
  • 旭川四条駅:旭川電気軌道東川線 - 1973年(昭和48年)1月1日廃止
  • 士別駅:士別軌道 - 1959年(昭和34年)10月1日廃止
  • 名寄駅:
  • 美深駅:美幸線 - 1985年(昭和60年)9月17日廃止
  • 音威子府駅:天北線 - 1989年(平成元年)5月1日廃止
  • 問寒別駅:幌延町営軌道 - 1971年(昭和46年)7月3日廃止
  • 幌延駅:羽幌線 - 1987年(昭和60年)3月30日廃止
  • 南稚内駅:天北線 - 1989年(平成元年)5月1日廃止
  • 稚内桟橋駅:稚泊連絡船 - 1945年(昭和20年)8月24日休止

宗谷トンネル計画

稚内市から先の宗谷海峡海底トンネルを掘り、サハリンの鉄道と連絡させる構想があるが、推進しているのはほとんどロシア側のみであり、日本政府やJR北海道がこの計画をまともに取り上げたことはない。また、当路線は「自社単独で維持することが困難な路線」とされているため、実現する見通しは全く立っていない。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks