聖フスタと聖ルフィーナ

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製作年1817-1818年
寸法309 cm × 177 cm (122 in × 70 in)
『聖フスタと聖ルフィーナ』
スペイン語: Santas Justa y Rufina
英語: Saints Justa and Rufina
作者フランシスコ・デ・ゴヤ
製作年1817-1818年
種類キャンバス上に油彩
寸法309 cm × 177 cm (122 in × 70 in)
所蔵セビーリャ大聖堂セビーリャ

聖フスタと聖ルフィーナ』(せいフスタとせいルフィーナ、西: Santas Justa y Rufina: Saints Justa and Rufina) は、18-19世紀のスペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤが1817-1817年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。画面下部左側に描かれている紙片に「Francisco de Goya y Lucientes. Cesar- / augustano y Primer pintor de cámara / del Rey. Madrid, año de 1817 (フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス サラゴサ出身 王の首席宮廷画家。マドリード、1817年)」という銘が記されている[1][2]。ゴヤの友人であった美術批評家フアン・アグスティン・セアン・ベルムーデス英語版を通してセビーリャ大聖堂参事会が大聖堂内聖杯聖具室の主祭壇用にゴヤに委嘱した[1][2][3]。作品は現在、セビーリャ大聖堂に所蔵されている[1][2]。この作品のための下絵が何枚か描かれたが、その中で現存している1枚がマドリードプラド美術館に所蔵されている[3]

かつて、ゴヤは宗教に懐疑的であったとか無信心であったとかいうロマン主義的な認識があったため、彼の宗教画の重要性は過小評価されていた[4]。しかし、近年、そうした認識は、新たに個人コレクション中に発見されたゴヤの宗教主題の作品 (『大天使ラファエルとトビアス』や『砂漠の若き洗礼者ヨハネ』など) や、すでに知られていた彼の宗教的主題の作品の再解釈によって変えられている。現在、宗教画は、ゴヤの作品中で重要な位置を占めていたことが確実にわかっている。記録によれば、当時の大部分の画家たちのように、ゴヤも生涯にわたって教会、公的機関、個人から宗教画の依頼を受けていた[4]

作品

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ『聖フスタと聖ルフィーナ』 (1665-1666年)、セビーリャ美術館

本作に描かれているのは、セビーリャ守護聖人である3世紀後半の陶工の姉妹フスタとルフィーナ英語版である。敬虔なキリスト教徒であった彼女たちは、異教神への供物を拒んだために殉教した[2]。セビーリャ大聖堂参事会の意向はこの聖女たちの殉教ないし奇跡的な生涯の1場面を表す絵画を描いてほしいというものであった[1][3]が、委嘱を仲介したベルムーデスは当時の啓蒙主義的理念にもとづき、ゴヤにもっと明快な表現を選ばせた[3]。ゴヤは聖女たちを適切に描くために多大な研究を行い、セビーリャを3度訪れている[1]

ルカ・ジョルダーノ『聖ロザリア』 (1697年ごろ)、プラド美術館マドリード
ゴヤ『聖フスタと聖ルフィーナ (下絵)』 (1817年)、プラド美術館、マドリード

こうして、ゴヤは、等身大の全身像で立っている2人の聖女像を描いた。作品は、バルトロメ・エステバン・ムリーリョが描いた『聖フスタと聖ルフィーナ』 (セビーリャ美術館) にもとづいているのは間違いない[1]。左側の聖ルフィーナは4分の3正面観で表され、伝統的なアトリビュート (人物を特定する事物) である陶工としての陶器の壺と殉教の象徴であるシュロを両手に持っている。右側の聖ルフィーナは正面を向き、片手に陶器を、もう一方の手にシュロを持っている。ライオンが彼女の足を舐めているが、これは古代ローマ属州知事ディオゲニアヌス (Diogenianus) が彼女を円形劇場でライオンに差し出した時の逸話を表す。ライオンは猫のようにおとなしくなり、彼女の足を舐めたので、刑罰は失敗に終わったという[1][3]

聖フスタと聖ルフィーナは、暗い空の中に射しこむ光線の方に顔を向けている[1][3]。その様子は、ベルムーデスが述べたようにルカ・ジョルダーノの『聖ロザリア』 (プラド美術館) を彷彿とさせる[3]。背景右側にはヒラルダの塔が見えるが、この塔は彼女たちの故郷の町であるセビーリャの象徴であり、彼女たちのアトリビュートの1つである[1][3]。1504年にセビーリャで地震が起きた際、2人の聖女たちが現れて、ヒラルダの塔を抱きしめたために塔は崩壊から救われたという[2][3]。暗い空は、地震直後に突発したという嵐を暗示しているのかもしれない[3]。また、彼女たちの足元には異教の彫像の断片が見えるが、これは彼女たちがシリア女神サランボ (Salambo) への捧げものとして自分たちの陶器を売ることを拒み、サランボの彫像を破壊したことを示している[1]

本作をプラド美術館にある習作下絵と比較すると、いくつかの相違点が見て取れる。本作の前景にある異教彫像の断片は、下絵には描かれていない。また、聖女たちに降り注ぐ聖なる光線は、本作では聖具室の窓から本当に射し込んでいるかのように描かれているのに対し、下絵における光線はそれほど明瞭には表現されていない[3]

脚注

参考文献

外部リンク

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