野営地でのフェルナンド7世
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| スペイン語: Fernando VII en un campamento 英語: Ferdinand VII at an Encampment | |
| 作者 | フランシスコ・デ・ゴヤ |
|---|---|
| 製作年 | 1815年以降 |
| 種類 | キャンバスに油彩 |
| 寸法 | 207 cm × 140 cm (81 in × 55 in) |
| 所蔵 | プラド美術館、マドリード |
『野営地でのフェルナンド7世』(やえいちでのフェルナンドななせい、西: Fernando VII en un campamento, 英: Ferdinand VII at an Encampmentは、18-19世紀のスペインの巨匠フランシスコ・デ・ゴヤが1815年以降にキャンバス上に油彩で制作した肖像画である。画面下部左隅に画家の署名が逆さまに記されている[1]。作品は1869年5月14日の王令で当時マドリードにあったトリニダー美術館に収蔵されたが、1872年に同美術館がプラド美術館と合併して以降[1][2]、プラド美術館に所蔵されている[1][2][3]。
スペイン独立戦争終了後の1814年5月7日、フランスからスペインに帰還し、マドリード入城を果たしたフェルナンド7世は、同年7月8日に王立サン・フェルナンド美術アカデミーを公式訪問した。フランス軍占領下にジョゼフ・ボナパルト (ホセ1世) の宮廷画家を務めたゴヤは、身の潔白を証明するためか、この日、新王を迎えるためのアカデミーの会議に出席している[3]。
フェルナンド7世の肖像画数点がゴヤに帰属されている。しかし、そのうちのわずかな作品しか、完全にゴヤの手になるといえる十分な質的高さを示していない。フェルナンド7世は、ゴヤではなくヴィセンテ・ロペス・ポルターニャを公式肖像画家として選んでいた[2]。とはいえ、王立サン・フェルナンド美術アカデミーは1808年にゴヤに『フェルナンド7世騎馬像』 (王立サン・フェルナンド美術アカデミー) [4]を委嘱しており、この騎馬像は王の最初期の肖像画のうちの1点となっている。おそらく、ゴヤは、カルロス4世と王妃マリア・ルイサの公式肖像画を描いた時のように新王フェルナンド7世の実像を写生し、それにもとづき、彼および協力者がさまざまな機関や個人から依頼された多くの肖像を描いたと思われる[2]。
作品
ゴヤが描いたフェルナンド7世の肖像画中、最良のものは間違いなく『王服を着たフェルナンド7世』 (プラド美術館) である。ゴヤは、この肖像画中の王の頭部と脚の位置を本作でも繰り返している。しかし、フェルナンド7世は、上着の袖と赤い腰帯に組紐模様のある将軍の制服を身に着けている[2]。胸の上には、金羊毛騎士団のリボンと数々のメダル、カルロス3世騎士団の青色と白色の飾帯が見える[1][2]。一方、王の顔はその権力欲に溢れた強欲な表情が誇張され、ほとんど戯画の域にまで達している [3]。
ゴヤは、王を自然の風景の中に描いている。背景にはテントがあり、馬がいる野営地が望まれる。スペイン独立戦争中、安全なフランスに逃れていたフェルナンド7世は一度も軍事的行動をとったことはないため、この肖像画は皮肉なものとも解釈できる[1]。研究者マルガリータ・モレノ (Margarita Moreno) によれば、本作は、『マヌエル・デ・ゴドイの肖像』 (王立サン・フェルナンド美術アカデミー) などゴヤのほかの軍事的肖像画を想起させるものである。実際、ゴドイの肖像でも、地平線は低く設定されている。技法的には、馬やテントに用いられている自由闊達な筆触と、人物に用いられているより精緻な筆触との間に相違が認められる[1]。
ギャラリー
- ゴヤ『フェルナンド7世騎馬像』 (1808年)、王立サン・フェルナンド美術アカデミー、マドリード
- 『王服を着たフェルナンド7世』 (1815年)、プラド美術館、マドリード
- 『マヌエル・デ・ゴドイの肖像』 (1801年)、王立サン・フェルナンド美術アカデミー、マドリード