上原真佐喜

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上原真佐喜(うえはら まさき)は、山田流箏曲の家元名跡の一つ。初代上原真佐喜が社中で真磨琴会を組織し、その系統が継承されてきた[1]

初代が真磨琴会を組織し、二代目がこれを継承した[1]。二代目の没後には、真磨琴会の代表体制、名跡・芸名の使用、商標登録の扱いをめぐって複数の関係者が関与し、訴訟および審判に発展した[2][3][4]

歴代

初代

初代上原真佐喜は、本名を上原幸太郎といい、二代目上原真佐喜の親にあたる。1869年に東京で生まれ、1933年に没した[1]

9歳で山田流の千代田検校門下の浅井千束に入門し、のちに奥村真佐古に師事してその後継者となった[1]

歌物を得意とし、作品に「春の朝」「里の四季」「落花の誉」などがある[1]。また、山田流箏曲協会設立時には副会長に就任し、社中で真磨琴会を組織して初代会長を務めた[1]

二代目

二代目上原真佐喜は、本名を林兎喜子といい、初代上原真佐喜の子であり、三代目上原眞佐喜の親にあたる。1903年に東京日本橋で生まれ、1996年に没した[1]

父の没後に1933年に二代目を襲名し、真磨琴会の二代会長となった[1]

歌物に優れ、三味線の技量でも高い評価を受けたとされる[1]。1970年に重要無形文化財保持者人間国宝)に認定され、1980年に日本芸術院賞を受賞し、1983年には日本芸術院会員となった[1]

三代目

三代目上原眞佐喜は、二代目上原真佐喜を母とする[5]。萩岡家の出身で、近代の名人初代萩岡松韻を曾祖父に持ち、三代目萩岡松韻を父とする[6]

6歳で初舞台を踏み、1978年には歌舞伎座で上原流家元を囲む演奏会に出演し、1981年に四代目萩岡松柯を襲名した[6]。その後、上原家へ迎えられて上原信昭を名乗り、1993年3月27日に歌舞伎座で開催された第200回真磨琴会で上原信昭名披露目を行った[6][7]

二代目没後には、上原会で活動し、2013年2月22日にル テアトル銀座 by PARCOで三代目上原眞佐喜名披露目演奏会を開催した[6][7]

真磨琴会

真磨琴会(ままごとかい)は、上原真佐喜の系統に連なる組織であり、初代がこれを組織し、二代目が継承した[1][8]。初代上原真佐喜は奥村真佐古の後継者となり、その系統を背景として社中を形成した[1]

二代目の代には、とくに歌物の演奏と三味線の技量によって知られ、古典の伝承と創作の両面で活動した[1]。この系統は真磨琴会を通じて維持されてきた[1]

公開された商標審決公報によれば、二代目没後、山田流箏曲協会は1997年2月付で、真磨琴会の代表者として林真佐乃・林真佐永・山内佐恵次の3名を承認した[4]。また、上原真佐輝の公開プロフィールおよび国立劇場の公演資料によれば、真磨琴会はその後も継続し、少なくとも2023年時点では上原真佐輝が真磨琴会代表を務めている[9][10]。また、上原真佐輝の公開プロフィールによれば、2021年には「二代上原真佐喜二十五年祭真磨琴会演奏会」を江戸東京博物館大ホールで開催した[9]

上原真佐輝

上原真佐輝(うえはら まさてる)は、1976年鎌倉市生まれの箏曲演奏家。6歳から林真佐永に箏の手ほどきを受けて真磨琴会に入門し、その後二代目上原真佐喜に箏・三絃を師事した[9]

1999年に東京藝術大学音楽学部邦楽科を卒業し、2000年にNHK邦楽技能者育成会第四十五期を修了、2001年に文化庁芸術インターンシップ国内研修員に選出された[9]

2014年に真磨琴会代表となり、2016年には芸号を千葉真佐輝から上原真佐輝に改め、名披露目会を行った[9]

日本三曲協会理事、山田流箏曲協会理事、真磨琴会代表などを務める[9][10]

名跡・商標をめぐる紛争

二代目上原真佐喜の没後、その名跡・芸名の使用をめぐって紛争が生じた。公開された商標審決公報によれば、二代目没後、真磨琴会の代表者の一人として林高子が関与し、林真佐乃、のち上原真佐乃の芸名を用いたとされる[4]。同資料では、林真佐永の本名を林治子とし、山内佐恵次とともに真磨琴会代表者として扱っている[2][3][4]

判例研究および判例整理資料によれば、「上原真佐喜」を「技芸の教授、音楽の演奏」について商標登録した原告が、「上原眞佐喜」の名で活動する被告に対し、商標権に基づく差止めを求めた[2][3]。これに対し、東京地方裁判所は、二代目との関係において原告と被告はほぼ同等の立場にあり、原告が唯一の「正当な地位」を有する出願人とは認め難いとしつつも、本件商標登録が直ちに公序良俗違反により無効となるものではないとした[2][3]。その一方で、被告が一貫して「上原眞佐喜」を芸名として使用して演奏活動等を行っていたことなどから、原告による差止請求は、特段の事情がない限り権利の濫用に当たると判断された[2][3]

また、公開された商標審決公報によれば、商標登録第4309319号「上原真佐喜」について、2008年に不使用取消審判が請求されたが、請求は不成立とされた[4]。同公報では、請求人を上原眞佐喜、被請求人を林高子とし、真磨琴会規約、独立免章発行の認証書、免章等を踏まえて、商標権者および通常使用権者による使用が認定されている[4]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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